不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

武芸

大いなる和と為す

当流は外国人の比率が大変多いことでよく知られています。私が所属する道場でも半分近くが在日外国人です。元々日本に働きに来ていて、そこで当流を知ったという人もいれば、本場の日本で稽古がしたいが為にわざわざ日本に移住したという人もいます。私はそ…

小幡さくら祭り

昨日は群馬県甘楽町の小幡さくら祭りに同門と参加して参りました。あいにく桜の開花が間に合わず、桜なしの祭りでした。残念。去年やコロナ禍前のここ最近の祭りでは大抵咲いていたのですが、久々の空振り。しかしながら気温は高めで甲冑装備を終えたあとは…

継続すること

昨晩の稽古の折、弟子と話した内容です。私は20代の頃、海外留学や海外赴任、地方赴任のため何度か全く道場の稽古に参加できなかった時期がありました。20代というと一番の伸び盛りですからストレスがたまります。仕事でもストレスを抱えていましたが、とに…

未だ燃ゆる魂

本日は久々に日本武道館で行われる恒例の古武道演武大会を見に行きました。今年は日本古武道協会設立45周年記念、回数としては第47回を数えるそうです。 今年は35流儀が参加しました。少々残念なのはいつも大トリの鹿島香取のうち、鹿島新当流が参加しなかっ…

霜月二十二日稽古所感

「流技」とはは私が便宜的に付けた造語です。ネットで検索しても武芸に関して上記の単語はほとんどなかったようです。文字通り「技を流す」稽古です。別にこれは私のオリジナルではなく、昔から行われていた稽古方法です。普通に互いに、或いは片方が連続し…

霜月十八日稽古所感

弟子と稽古するときは、若干強めに投げ飛ばします。当然ながら弟子は普通に結構吹っ飛びます。弟子は受身を取ってダメージ軽減に努めますが、私が投げるとちょっとぐらいでは踏ん張れないほどに勢いよくボールかコマのように転がります。といってもマットの…

霜月八日稽古所感

昨夜は型稽古と基本技の構えに大半の時間を費やし、残った時間で技を一つだけ稽古した。型については家でも行っているらしくまずまずよくなってきたが、虚空に手刀や拳を打つことの意義、心構えなどについてよく指南した。当流の、特に当道場の流儀では流水…

霜月五日稽古所感

このところマンツーマンの稽古が続く。実際のところ、5人入門しても残るのはせいぜい1人ぐらいというのが当流に長年身を置いている私の感想。来る者は拒まず(大体)、去る者は追わずというのが基本である。 昨日はKK君が夜勤明けでやや体調がよろしくないと…

神無月三十一日稽古所感

昨日の稽古も1名(笑)ま、増えてきたらマンーマン指導もできなくなると思い、今だけできる指導を心掛ける。夜の稽古は時間的な制約や平日ということもあって比較的軽めの稽古にしている。なにせマットの出し入れだけでも2人で行うと結構時間がかかるので。 昨…

神無月二十一日稽古所感

本日、ジョイントマット洗浄のために三十分ほど早い13時半に現着。すでにKS君が先に来ていて、たまたま副会長さんも会館に用事があって開けてくれた模様。早速洗浄を始めようとしたのだがKKさんが休みということ。仕方がないので2人で始めた。20枚のジョイン…

神無月三日稽古所感

昨日は新しい稽古場で初の稽古を行いました。あいにく弟子が一人休んでしまったのでマンツーマン。最初はまず引き取ったマットを1階のフロアに敷きましたが、大きさとしては前と大方同じ、若干長い。床はコンクリートなのでやはりマットは必需品かと。しかし…

不動庵道場 転庵

一昨年より開いていた武神館 不動庵道場が今まで稽古をしていた谷塚上町会館から隣の川口市峯町にある峯町会会館に移ることと相成りました。峯町会会長様以下、役員の方々や峯ヶ岡八幡神社の宮司様たちの温かいご理解あって実現しました。深く感謝いたします…

理想の動き

武芸者であれば誰でも他者の技量をよく観察して、得られるものは得て、反面材料にするものはそうしていると思います。ある程度上手い下手で見てしまうことは致し方ないと思いますが、最近ふと思うこと。 「上手い下手」の基準を自分の技量を基準にしている人…

覚悟を持って生きる

当流は大変国際的で、古流の中では抜きん出て外国人門下生が多いと思います。世界規模で言えば外国人門下生の方が圧倒的に多いと言えます。私が所属する道場も然り。12,3人いる直門の半分は日本在住の外国人です。 本部道場で稽古をする際は、受付で名簿に…

武道と忍法

武道という言葉は実は明治時代になってから作られた造語です。それ以前は武芸とか武術とか、そんな感じで呼ばれていました。作られたきっかけは、明治時代になって西洋式軍制が採用され、いわゆる武士の兵法は不要になったため。そもそも戦国時代以後、大規…

坂と階段

人が何かを修得する過程において、私は常々大きく二種類あると思っています。すなわち坂道のようにシームレスに上達する坂道型と、階段のように少しづつ垂直上昇する階段型。もしかすると階段型も細分化すると坂道になるのかも知れません。 坂道型の人は日々…

葉月二十一日稽古所感

昨日の稽古は弟子1人のみ。崩しについて徹底的に稽古をしました。個人的には崩しの技法は技の手順に関わる技法や知識よりも重要と考えています。 自分は限りなく安定して流れるような均衡の中にあり、相手は立ち直ることすらできずひたすら崩れ続ける状態に…

老いについて

最近、「老化」についてちょっと考える機会がありました。もちろん自分自身については時折ふと頭をよぎりますが、今回は自分の師匠の話。 先日、稽古の後に先生の運転で最寄駅まで乗せていってもらいました。昔はよく駅まで乗せていってもらったものですが、…

葉月十七日稽古所感

本日は久し振りに弟子が揃った。 そしてイレギュラーに稽古時間を4時間とした。 受身稽古に1時間を費やす。当流に於いて受身は技の一部、術の一部であり、技を受けたときの対処法以上であるため、初心者には必須の技術だからである。 次に体練、体幹と重心、…

山岡鉄舟居士

一番尊敬している武士は誰かと訊かれると、私の場合は山岡鉄舟と答えています。彼は天保7年6月10日〈1836年7月23日〉に産まれて明治21年〈1888年〉7月19日に53歳で亡くなりました。丁度今の私と同じ年齢です。彼は32歳の時に明治維新を迎えており、徳川幕府…

継続は力なり

ありきたりすぎてタイトルにしてよいものかどうか悩みますが、やはり重歳してきて思うのはこの言葉は偉大だということ。ズルズルと継続しているだけでもそれなりの根気が必要とされ、長ければ長いほど惰性で続けているものですらそこそこ熟練してくる場合が…

文月稽古所感

最近は稽古に関するブログがサボり気味になっています(笑)7月は豪州から同門が数人来日して何度か一緒に稽古というか指南しました。稽古中はほとんど英語になるので日本人の門弟たちにもよい影響を与えたと思います。また、体格差も大きいために技がキチンと…

道行くことについて

自分の技量についてです。「お前は下手だ」と言われたとき、どう反応しますか?それなりの努力をしているときに言われたらカチンときますか?冷静に受け止めますか?怒り狂って反論、或いは反撃しますか?それとも無視しますか?また、それを言った人が上級…

新しい道場ができるまで

私はよく、海外の同門から道場名や武号を頼まれることがあります。依頼する方の大半は、やはり外国人のセンスで名付けても、日本人からすると奇妙な名前になることを恐れ、日本語としておかしくない道場名を求めることが多いように思います。確かに日本語で…

「虎の巻」は何処に

先日、海外同門から面白い質問を受けました。「『虎の巻』はどこで見つけることができますか?」おかしみを感じつつもなかなかに味のある質問であるとも思った次第です。 『虎の巻』とは古代から中国にて代表される兵法書、すなわち「孫子」「呉子」「尉繚子…

ノーチラス号の言葉

"Mobilis in Mobili"これはジュール・ヴェルヌの「海底二万里」に出てくる潜水艇「ノーチラス」号内の食器などに記されている文字ですがフランス語で「動中の動」という意味だそうです。初めてこれを読んだとき武芸的にもなかなかセンスある言葉だと思ったも…

水無月二十日稽古所感

参加者KS君のみ。ウォーミングアップで両手首をつかまれた場合の手解きを行う。次にバランスを崩させるためのかかり稽古。今までこのような稽古はしてこなかったが、今後は増やしていく予定。理由としては当流では外国人も多いため体格にかなり差があり、柔…

指南について

私はそれほど教えた経験があるわけではないのですが、教え方には色々悩みます。初めは大筋で技ができればよく、後で精度を上げれば良いのか。初めから細かい所までキッチリ教えた方が、後で楽に覚えられるようになるのか。私は細かい点などは特に師匠から教…

臨機応変ということ

胴着についてです。当流では黒い胴着を制式としていますが、夏場は上を脱いでTシャツで帯を締めて稽古をすることが多い。一応古流の類する当流ですが、この辺りは臨機応変にしています。伝統的な慣習を守る流儀の方からはケシカランと言われそうですが、当流…

皐月二十二日稽古所感

昨夜も1人のみ。先週稽古がなかったのと今週は2日連続なのできつめの稽古は避けた。受身は初めて床に置いたものを拾わせてみたが、なかなかうまく行かず。武神館では技を受けたときに行うのみならず、相手を避けるとき、地面にあるものを拾うときにも受身を…