不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

2018-01-01から1年間の記事一覧

およげ!たいやきくん

昨日臘八坐禅会第6夜から帰宅して風呂に入ったのですが、湯船に浸かりながらふと思いついたことがあります。あの「およげ!たいやきくん」の歌詞についてです。 「まいにち まいにち ぼくらはてっぱんの うえで やかれて いやになっちゃうよ」 で始まって 「…

親子旅 上州の山へ

水曜日は埼玉県民の日で学校が休み。私もそれに合わせて有休を取りました。 今年4月に尊敬していた方が他界されたため、その墓参を兼ねて息子とドライブをしました。 行く先は日本で最も深刻な限界集落として知られている群馬県南牧村にある黄檗宗黒瀧山不動…

師について

古来中国には「三鏡」という言葉があります。 ちょっとネットで調べたのですが出てきません。私の所蔵している中国古典の中に出てきていた言葉だったと記憶しています。今度探してみます。 うろ覚えですみませんが、その三つの鏡を以て我が身を正せというも…

稽古における型の役割

武芸における「型」は、ITに例えると圧縮したデータのようなものです。 先人たちが後世の継承者たちにできるだけ濃密にした情報を効率よく伝承させるため、型という固まりにして今に伝えています。つまり型の中においては普通の技よりも一挙手一投足全てがよ…

自意識について

太古の昔、原始時代では「自分で自分を見る」ことができたのは波が立たない水面だけでした。それから何万年か後、多分自意識が強かった人でしょうか、石を磨いて自ら映す事を思い立った人がいたようです。 考古学的に一番古いとされている鏡はトルコにあるチ…

秩父巡礼 平成三十年 第五回 結願

今回の巡礼は結願、つまり最後ということでかなり余裕があり、相棒ロシア人のたっての希望で蒸気機関車に乗って現地まで行くことにしました。 秩父鉄道では毎日1往復、熊谷駅から三峰口駅までSLが走っています。ちなみにこの秩父鉄道のSLが都心からは一番近…

老いて尚曇らず

当流の春日部での稽古に、時折ふらっとやって来てじっとその様子をご覧になるご老人がいらっしゃいます。多分年の頃は80は優に超えているぐらいでしょうか。 実はこのご老人、以前当流の隣で稽古をしていた合気道養心館の先生です。 そしてこの驚くべきこと…

重歳と我以外皆師也

年齢が上がってくるほどに構えて心すべきものと思うことがあります。 それは「教え慣れること」。門下で年齢が上がれば当然教わるよりも教えることの方が多くなるのは自然の理。若い頃は先輩方からあれやこれや言われてきたことがいつのまにかなくなって、自…

それは神授のものか

以前書いたものを加筆修正したものです。最近のホットな時事に対する、ネット民のコメントについて。 狂信者とは信じている対象の正邪を問われるものではなく、信じ方と実践の仕方に問題がある故に狂信者と呼ばれると私は心得ています。 自分の正義が正しい…

成人するという事

2022年春から今まで20歳だったのが18歳から成人として認められるようになりました。 労働人口が減ったとか、子供の数が減ったとか、色々思惑があると思いますが。 20歳が成人として定められたのは1876年の太政官布告からだそうです。 で、いつも不思議に思う…

観察すること

昔は全ての芸事、技能職は「先輩から技を盗め」という覚え方でした。 手取り足取り教えてくれるような先輩はいませんでした。 先輩たちは高等技術は滅多に新入りには見せなかったですし、新入りは千載一遇のチャンスは石にかじりついてもものにしていた、そ…

遠近用コンタクトレンズ

このところいよいよ老眼が気になってきて、昨日とうとう遠近両用のコンタクトレンズを買いに行きました。ここ数年でそういうものが開発、販売されるようになってきたとのことです。原理はコンタクトレンズの縁に近い方は遠距離用、中心は近距離用といった感…

皐月晴れ

坐って何かを得ようと期待している間は幾ら坐ったところで得られるものはない。 何か特別な見性体験を期待する内は何も起こらない。 師匠が良く言う言葉です。 悟りを得るときは何かピカッと閃いて何か偉大な体験をするように思われそうですが、恐らく印可を…

師弟

昨夜の柏中央体育館での稽古は珍しく参加者は私だけでした。 一昨日とその前は大相撲柏場所がようで、まだその後片付けで慌ただしい感じでした。市内にはいくつもの相撲部があるようで、中高生ぐらいでエラく体格がいい若者が荷物を持って出入りしていました…

米国ドラマ 100

先日からNetFlixでこの「The 100」という米国テレビドラマを観ていた。シーズン1-2で各16話ぐらいだったか。ドラマのクオリティーとしては、なかなかに凝ったセットでよくできていた。で、ストーリーの大筋。 地球は核戦争で放射能汚染されほぼ死滅したと考…

技の稟性

今年は武門に入って32年になりました。 とは申せ長いだけで未だ門下の末席を僅かに汚す程度の身分。上にも横にも、そして下にもそれはもう凄い人ばかりで、我が身の置き場に困るほどですが、ふと思ったことを徒然と。 あくまで私個人の感想として。 技を見る…

ミリオンセラーの意味するところ

私は幼少の頃から中学生までプラモデルが大好きなどちらかというとインドアの少年でした。高校からは武門に身を投じたので小遣いが回らずやめました(笑) 小学校5.6年生ぐらいの時だったか、所謂「ガンダム」が大ブームになり、誰彼も俗に言う「ガンプラ」を…

名も無く 影無く 姿無し

去年の夏頃から、当流の日本国内道場では道場のHPは一切公開されておらず、ごく簡単な連絡先などを掲載している道場のサイトが僅かにあるだけです。 私個人としては元々あまり道場HPの手入れをしていなかったのでそのうち閉鎖するつもりでいたため、いい機会…

王道を征く

先日息子と98歳で他界した妻の祖母の葬儀のために名古屋に行きました。その道中での話。 東京駅に行くまで人の流れを眺めていましたが、ふと息子がサラリーマンたちが電車を降りてすぐエスカレーターを駆け上がっていくような急ぐ様を見て、年相応ではない見…

聖書から

20代の後半、色々あって結構基督教を熱心に学びました。実際に日本と豪州で教会にも足繁く通ったものです。聖書は何度も読みましたし、英語版も大変苦労しながら一度、頭から全部読みました。結局、基督教徒になったわけではありませんでしたが。個人的には…

自ら道を拓く

大上段に構えたタイトルになってしまいましたが、別に何と言うことではありません。 私が武神館の門下に入ったのは16歳の折。きっかけは書店にあった、たった1冊の本を本当に偶然に見つけたこと。そしてそこに至るまでイジメに遭ったり、友人らと格闘技のま…

深川巡り

今日は何となくふらっと、深川経由で浅草に行ってきました。深川不動堂を一度観てみたかったからです。深川不動堂・・・う~ん、ちょっと寺としてはどうでしょう、何と言うか成金っぽくて好きになれませんでした。重みを全く感じられなかった。ただ朝早くに…

三人寄れば文殊の知恵

当流では毎年、宗家が漢字4文字で何らかのテーマを掲げることになっています。 今年は「文殊慈心」でした。 数年前から疑問に感じていた諺がありました。 それが「三人寄れば文殊の知恵」です。 「文殊」とは言わずと知れた智慧を司る菩薩。禅宗の僧堂の入口…