不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

自由

辞書で調べると; 1.自分を意のままに振る舞うことができること。またはそのさま。 2.勝手気ままなこと。わがまま。 3.哲学で消極的には他からの強制・拘束・妨害などを受けないことをいい、積極的には自主的、主体的に自己自身の本性に従うことをいう。 4.…

王道

原典は儒教である。 徳の高い君子が歩むべき道を指していると言われている。 面白いことに辞書には「安易な方法」「近道」も併記されている。こちらの原典は英語の「royal road」から来たらしい。あるときエジプト王の問いに対して数学者が答えた「Ther is n…

二兎を追う者は一兎をも得ず

実はここ2.3年、ロシア語の勉強で全く以てこれにハマっています。 ロシア語検定向けの勉強をするのか。 ロシア語が実際に話せる勉強をするのか。 今後資源の乏しい老後を考えると、レアな資格取得は有意義だと思ってはいたのですが、一方現実問題としてロシ…

あまたの中のたった一つ

私は今から34年前に16歳で当流に入門しました。 まあよく今まで続いているなと我ながら感心しきりですが、当然のことながら入門しては続かずに止めていく方も多くいたものです。実際、入門して残るのはごくごく僅かです。良き師、良き同門たちに恵まれないと…

アメリカインディアンの教え

私はアリゾナでナヴァホとそれ以外の場所で幾つかのネイティブ・アメリカンズと会ったことがあります。 アリゾナでは荒野の中の集落にあったレストランに行きました。 他に態度のデカい白人の客がいましたが、後から来た私の方が先に料理を受け取りました(笑…

IT時代が半分

今私は丁度天命、50歳です。26歳になる直前にWindows95が発売されてインターネットが爆発的に普及し始めました。つまり人生の半分はすでにIT時代になっているという事に最近気付きました。 息子は2003年生まれ、21世紀人で平成生まれです。物心着いた頃には…

碧呟聲 - 武運長久 -

私はよく、親しくなった海外同門、特に新たに昇段したり道場を開くという場合などは神社での祈祷を勧めている。私がお世話になっている神社は埼玉県川口市安行にある、峯ヶ岡八幡神社。関東平野の南部中央にあって、数少ない丘陵地帯の上に立っている。 近所…

碧呟聲 - 山籠もり -

初めて山籠もりをしたのは入門して半年、思いがけず初段を頂いたときだと記憶している。 奥秩父で秩父鉄道の終点、三峰口駅から更にバスで西に向い、ダムまで。そこから古い吊り橋を渡って湖を渡り登山道もない山だったか。 初めての時はある意味肝試しだっ…

碧呟聲 ー武術と美学ー

そもそも武道を志している者の中にはかなりの割合で所謂「中二病」患者がいる(笑) あるいは武道を志している者は程度に差こそあれ少なからず「中二病」患者と言えるかもしれない。 そうではないという方は老若男女、国内外を問わずあまりお目に掛ったことが…

碧呟聲 -ゆき-

本日は関東南部で今冬初めて雪が降った。 あいにく積もるほどではなく、僅かな間に雪が降っている風景を愉しんだという程度。 それでも都心部では滅多に見られない雪景色だけに心躍るものこれあり。 雪の語源はご存じだろうか。 諸説あるが、有力なのは「神…

碧呟聲 -受身-

忍者というと、手裏剣以外には機敏に動くイメージがあると思う。 実際にアクロバティックな事をしたのかどうかは分からないが、特筆する動きがあるとするならそれは多分「受身」。 一般的には「受身」は技を受けたときの対処の技術であるが、忍術も継承して…

1995年

1995年は公私ともに色々なことがあり、大変良く覚えています。 まず1月、正月が明けて間もなく阪神淡路大震災が起こりました。この日本で数千人規模の犠牲者が出て、言葉を失いました。私は高校生ぐらいの時からサバイバルキットとか集めるのが好きで、キャ…

碧呟聲 -胴着-

古流では凡そかなり暑い夏場でもキッチリ制式の胴着を着込んで、汗だくになって稽古をされているのを見ると本当にご苦労様ですと思うのだが、当流ではその辺りはかなり自由である。 伝統的な古流の方々からは「何と不届きな!」と一喝されそうではあるが(笑)…

碧呟聲 -武芸と変化-

もう15年以上前になるだろうか、ある命題に直面した事があった。 『武技は常に時代と共に変化・発展していくものである。』 『流儀を極めた者が武技の変化を考えられる。我々如きがそんなことをしてはならない。』 その時はどちらも正しいように思ったものだ…

碧呟聲 -手裏剣-

忍者というと手裏剣と言うぐらい、忍者の武器というイメージが強い手裏剣だが、実際は武芸の裏芸としてたいていの流派でも伝承されていた。とはいえ例えば江戸時代などは普通に働いていた侍たちが必要とも思えず、打てる(手裏剣は「打つ」と言う)人は少なく…

碧呟聲 -良師逢見-

3年習うより3年良師を尋ねるべし 前にも同じタイトルで書いたのだが、本件は求道者にとっては至高の命題と想う故、再度取り上げる。 昨今、師と言っても色々な側面があるが、どれに関しても言えるのは「技術を教える以上の人」でなくてはならない、というこ…

私の禅歴

私が初めて禅の手ほどきを受けたのは2002年のGW頃だったか。 群馬県の限界集落の山奥にある、黄檗宗の寺に行ったのが最初だった。 何故そこかというと、前の週にNHK小さな旅でそこが紹介されていたからだった。 それまでは葬式や法要以外で僧侶と話したこと…

碧呟聲 - 忍術との関係 -

長年当流に籍を置いていると、メディアや本で知ったのだろうか、良く聞かれる質問がある。 「ということはあなたは忍者ですか?」 何ともおかしな質問だが、回答もまた難しい。 「いいえ、私は忍者ではありません」「はい、私は忍者です」 この2つしかない…

碧呟聲 -武と禅-

武芸と禅と言うと、結構な繋がりがあるようにイメージされる方が多いと思うが、実際のところ個人的にはそれ程関係があるとは思っていない。 同門の中にはただ坐っていることに意義を感じず、そんな無意味なことをするなら稽古をしていた方が有意義という人も…

碧呟聲 -兵法書-

兵法というと日本では武芸における個々の戦いの仕方に内容を占める事が多いが、中国ではほぼ戦術・戦略・調略・主君操作術などを指す。 「孫子」「呉子」「尉繚子」「三略」「六韜」「司馬法」「李衛公問対」の七書は「兵法七書」として名高く、日本の武士も…

碧呟聲 -強さの定義-

これは武芸者を悩ませる要素ではなかろうか。 武芸においては相手を倒す、完璧に我が身を守れる。 ひいては家族や関わる人を守れるかどうかではあるが、現代、特に飛躍的に安全性が高い日本においては映画やドラマのように悪人相手に対決などというシーンは…

碧呟聲 天地を味方に

今朝の東京近郊はある意味初めて冬らしい気温になった。もっともまだ氷は張ってないので言うほど寒くはないのだろう。仕事始めという事もあって気分が晴れているわけでもなし(笑) 夏と冬の稽古においてなかなか的を射ていると思う言葉がある。 「夏は気を練…

正月休み最後

今日は今朝から「いや、今日はまだ土曜日のはずだ」とか、ナントカして現実逃避したい自分がいました(笑) 間違いなく明日から仕事始めになります。 今日は年末に購入したモバイルノートを最終的に設定して、今まで使っていた17インチノートをWindows10にアッ…

碧呟聲 勝つと克つ

昔から戦時では「勝てば官軍負ければ賊軍」と言われる。賊軍ならまだマシな方で、全滅させられることもしばしば。かと思えば危うく全滅を免れた賊軍が何十年か後にリベンジを果たして逆襲に成功した話などは「臥薪嘗胆」にもある通り大変厳しい。 私如き未熟…

碧呟聲:武術事始め

原始時代から男という生き物は「強さ」に憧れてきた。そしてそれを競ってきた。それは生物学的雄として原始本能に基づく衝動でもある。 時代が下り、もしかした1万年とか5000年とか、そのくらいに人の意識が変わっていた。今までは生まれついて、或いは環境…

碧呟聲

古代中国の夏王朝は最後、暗君と言われる傑王によって滅んだ。その次の殷王朝もやはり同じく暗君と言われた紂王によって滅んだ。 たまたまネットに上がっていた、幼少の頃に見た記憶がある昔のアニメ「海のトリトン」のイラストを見て思いだしたのだが、ムー…

碧呟聲 序

碧呟聲はへきげんしょうと読みます。 碧洲齋の呟く声の意にございます。 恐らく武芸と禅について短めに呟くことがあるかと存じますが、つまらぬ事です、恐らく。 碧呟聲の題あるときは一笑に付して頂ければと損じます。 令和二年正月 不動庵 碧洲齋

謹賀新年

明けましておめでとうございます。 和暦では令和2年 皇紀では2680年 西暦では2020年 を迎えました。 昨年は皇室におかせられましては歴史的な譲位が行われ、200年以上なかった上皇上皇后という地位が再興されました。 そして日本は新帝陛下を戴き令和の時代…