不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

新しい道場ができるまで

私はよく、海外の同門から道場名や武号を頼まれることがあります。
依頼する方の大半は、やはり外国人のセンスで名付けても、日本人からすると奇妙な名前になることを恐れ、日本語としておかしくない道場名を求めることが多いように思います。
確かに日本語で考えると変な道場名もありますが、個人的にはそれはそれでいいとは思うのですが・・・。

基本的に受け付けるのは直接知っていて、比較的懇意にしている同門の場合のみです。
当たり前ですがよく知らない相手の道場名や武号を考えることは恐れます。
その道場名や武号が長く後世に残るからです。
実際、米国同門後輩に道場名(家族名)を漢字変換したものを考えましたが、現在彼は日本に住んでいて、公式記録にそれを用いるようになっています。責任重大です。

受けてもいいと思った場合はまず、その人の哲学や武風、希望を聞き、ひとつの候補を示す場合もありますし、複数示す場合もありますが、日本の道場名と違うところは外国人にも発音しやすいことなどでしょうか。覚えやすい語感を持つ名前になるよう心掛けます。
これを始めた頃はその人の名前の音を漢字にしたものも多かったのですが、今ではその人の志に沿ったものが多くなっています。

名前が出来上がると、その道場名に使われた漢字を使って短歌を作り、道場名と共に明記して手渡しています(もちろん英訳も付けて)。 いつになってもあまり上達しませんが、短歌を添えるとちょっと風流だと思うので長いことそのようにしています。

今回豪州同門の場合は、更に道場看板も頼まれました。自然木専門店を探して、道場看板に丁度いいサイズの自然木板を買い求め、禅の師匠である老師に揮毫を頼み、さらに道場名と武号の落款を注文し、来日後に神棚を買い求めてこれまた懇意にしている八幡神社にて神棚奉斎を行うという本格的なものでした。
しかし友人やその弟子たちが大変喜んでくれたのは何よりでした。

道場名、武号、落款、神棚、道場看板とひとつの道場にここまで準備したのは初めてです(笑) それぞれバラバラではどれも経験はありましたが、全部揃えてとなるとそれなりに結構大変なものがありました。 しかしながら大変いい経験になりましたので、私も機会があればやってみようと思います。

令和五年文月五日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

今回、老師に揮毫して頂いた道場看板、裏面には禅語を書いていただきました。

武神館 不動庵道場
【日時】2022年1月8日土曜日、14:00-16:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町225-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。