不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

未だ燃ゆる魂

本日は久々に日本武道館で行われる恒例の古武道演武大会を見に行きました。
今年は日本古武道協会設立45周年記念、回数としては第47回を数えるそうです。

今年は35流儀が参加しました。
少々残念なのはいつも大トリの鹿島香取のうち、鹿島新当流が参加しなかったことと、香取神道流が色々内輪もめで今年はたったの3人での参加だったこと。組織内での権力抗争はホントに嫌ですね。私も少々思う処是在りで、憤りを覚えること甚だ大です(笑)

さて、この大会の来訪客はそれほど多くはなく、席が埋まるのは概ね5割ぐらいでしょうか。そして若い人がいると言ってもやはり年齢層は高い。
更に言えば演武参加者の年齢層も高い。古武道は若い人には人気ないんでしょうかね。これはいつも残念に思います。

35流儀の内、毎度ながら大変勉強になった流儀もありましたが、今日気になったのはそれではなく。
幾つかの流儀の代表師範や宗家の先生がたはかなりのご高齢で、門弟に手を引いてもらったり、杖を突いたり、びっこを引きながら歩いたりと、高齢のため体が言うことを聞かないにも拘わらず、武芸者としての闘志が燃えていたこと、これに頭が下がりました。
体が動かなくなっても心が動こうとするその姿にこそ、武芸者としての真の姿を見た気がします。
自分も体が自由に動かなくなってくる年齢になっても、魂だけは熱く燃えたぎらせたままでいられるのかどうか、考えます。

恥ずかしながら私も40年近く武芸を続けていますが、ここまで来ると惰性にも近く、習慣と化している部分もなきにしもあらず。武芸の向上はそのような怠惰な姿勢であってはならぬと誡めます。
もっと多くの日本人が古武道に興味を持ってもらいたいところではありますが、まずはその体現者たちはどのように理解してもらえるのか考え、魂を燃やし続けることが肝要ではないかと思った次第です。

令和六年如月四日
不動庵 碧洲齋