不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

宗教

シーシュポスの岩か三昧か

ここ最近、ご縁あって時折、座禅会に通っている寺の作務をしています。格式ある禅寺で、僧堂があってもおかしくないほど大きな寺院です。寺には老師以下2人の常住がいますが、それ以外にも週末は4-6人ぐらいのお坊さんが近隣から法事の手伝いにやってくるほ…

16年目に想う

私は禅の修行に於いて2人の老師に師事しています。どちらにもほぼ同時期に師事し始めましたが、今月で丁度16年になります。1人は現在、横浜市西区にある洪福寺住職と、もう1人は川口市にある長徳寺の住職です。あいにく洪福寺坐禅会は老師の健康が思わしくな…

古の故郷

古くからその苗字を名乗っていた場合、その苗字は元々地名であった可能性が高いという話を以前YouTubeで見たことがありました。それで数日前からふと思い出してちょっと調べてみようと思った次第です。 我が中代一族は鎌倉時代は三浦氏の流れを汲む石井長勝…

義に還る

私が尊敬する人物の中にユダヤ人に関わった人が2人います。1人は杉原千畝領事、もう1人は樋口季一郎将軍。共に昭和時代の大日本帝国官僚です。どちらも本国がナチスドイツと同盟を結ばんとしているときにユダヤ人たちを避難させるために日本入国のビザを発行…

祭神を以て征く道を知る

先日、ネット上の記事で神棚の祭り方について、面白い記事を読みました。曰く「『一般的には三社造りの宮形では、中央に日本人の総氏神である伊勢の神宮のお神札(神宮大麻)を、向かって右に地元の氏神のお神札を、向かって左に崇敬している神社のお神札を…

坐る

私の禅の修行は2002年、32歳の時から始まり、今に至っています。始めたきっかけは別段武芸とは関係はありません。よく巷では剣禅一致という言葉もありますが実際はどうでしょうか、人それぞれだと思います。江戸時代、武士が皆禅をしていたわけではありませ…

山岡鉄舟居士

一番尊敬している武士は誰かと訊かれると、私の場合は山岡鉄舟と答えています。彼は天保7年6月10日〈1836年7月23日〉に産まれて明治21年〈1888年〉7月19日に53歳で亡くなりました。丁度今の私と同じ年齢です。彼は32歳の時に明治維新を迎えており、徳川幕府…

一座の功

白隠禅師和讃という臨済宗の坐禅会でよく唱和されるお経の一節にこのようなものがあります。 一座の功をなす人も積し無量の罪ほろぶ(たった一度の坐禅ですら、今まで犯してきた全ての罪が消え去る。) 坐禅の功徳を説いたものですが、私は32の時からかれこ…

Chat GPTデビューは公案から

先ほど唐突にあることを思い付いて早速、遅まきながらチャットGPTのサイトからアカウント登録をしてみました。公式サイトは英語ですが、質問窓に日本語で質問文を入れると普通に日本語で返ってきます。恐るべきツールですね。 で、何を質問したかったのかと…

黄檗宗 黒瀧山 不動寺

お題「思い出の場所」 私にとって思い出深い場所は群馬県南牧村にある黄檗宗黒瀧山不動寺です。 2002年のGWの1週間前にたまたまNHKで放送していた「小さな旅」を観ました。その回では群馬県の山奥にあるお寺を紹介していたのですが、大変素晴らしい景色に目…

國肇之地

20日に広島を出立して新幹線で大阪まで来ました。予約していたホテルにチェックインを済ませてから現地の同門武友と会って食事。関東以外の同門と関東以外で会うのは初めてですね、国内は。その武友、実は気功師なんですよ。言い方合っているのかな?要する…

寺庭の炎

此度福山を訪れた理由は福山から車で1時間ほど山に入った神石高原町にある光信寺という寺に友人が働いていたから。その友人はオーストラリア人なのですが僧侶で、縁あって光信寺に勤めています。 光信寺、奥が本堂 光信寺はバブル絶頂期に近隣の造船会社によ…

浅草の様子

昨日は兵馬俑展に行く前に線香を買いに浅草まで行ってきました。 いや、驚きましたね、コロナ前の状態です。 どこも人だらけ。中国語はよく聞こえてくるのに妙に和やかで無礼者が少ないと思ったら・・・台湾人が多いそうです。なるほど。 和服レンタルを利用…

今年の坐禅終了

10月から中野区にある高歩院の鉄舟会に毎週金曜日の夜坐に参加していましたが、本日は初めて月一の土曜日の法話会なるものに参加しました。が・・・常連しか来ないので結局法話はなしという運びに(笑) 全くの新参者の私に意見を求められたのが困った(笑) 要…

滋賀県竜王町

今回、弾丸ツアーで参った先は滋賀県竜王町にある臨済宗妙心寺派のお寺で「観音寺」。ここの住職とはフェイスブックで知り合いました。年齢も同じで学んでいる武芸も同じ流れを汲み、何となく気に掛かったので私からリクエストを出して友誼を結びましたが、…

成道会

成道会、とはお釈迦様が意を決してブッダガヤの菩提樹の下で12月1日から7日まで坐禅をして、8日目の朝、明けの明星を見た時に偉大なる悟りを開かれたことを祝う日です。その追体験をするという事で禅宗の各僧堂では毎朝2時から夜の12時まで、坐禅と参禅だけ…

新たなる坐禅会

私が師事している禅の師匠が体調不良のため、止むなく坐禅会を閉会することになりました。無念残念としか言いようがありません。コロナ禍でほぼ開催できなくなった後の閉会ですからショックです。まあ、これも修行の一つなのかどうか。現在私は月2回ですが、…

唯独り坐る

禅仏教に初めて触れたのは2002年の5月、群馬県の山奥にある黄檗宗のお寺でした。以後父が他界した2007年2月頃までは概ね毎月訪れて指南を受けつつ坐りました。父の他界を機に本格的に師を求め、以後現在の寺でお世話になってからかれこれもう15年になります…

念珠

先月豪州に旅行した折、市場で中国人が売っていた黒い石のネックレスが気に入って買いました。50珠でした。15豪ドルでしたから結構安かったと思います。帰国後、ふとこれを念珠にできないものかと思い立ち、調べてみると108珠の僧侶が使う正式な念珠以外にも…

専一ということ

専一:他を顧みず、ある物事だけに力を注ぐこと。 政府は大々的にアナウンスしていないようだが、去る4月6日に入国、帰国対象者への規制を大きく緩和した。私はテレビをほとんど見ないのでニュースになったかどうかは知らないが、ネットで検索しないと出てこ…

至道無難ということ

これは三祖大師信心銘という仏教のテキストに出てくる一番最初の言葉です。至道無難 唯嫌揀擇(しどうぶなん ゆいけんけんじゃく)但莫憎愛 洞然明白(ただぞうあいなくば、とうねんとしてめいはくなり) と続きますが、意味は「道に至るに難しいことはなく…

主人公

土曜日に観賞した映画「エッシャー通りの赤いポスト」についてです。前のブログに書いたように、この映画は映画の中で映画を作っていくというプロセスを映画化したものです。多くの応募者から最終的には2名の主役が決まりますが、主役になれなかった人もエキ…

臘八坐禅会

伝説によるとネパール南部にあった小国、シャカ国の王子だったゴータマ・シッダールタは人の持つ苦しみを解決しようと29歳の時に王子の座と妻子を棄てて苦行を続け、35歳の時にガヤー地区にあるナイランジャナー川のほとりにあるピッパラ樹の下に7日間坐禅を…

将来の夢

50を過ぎてこんな事を言うのも恥ずかしいのですが、将来やってみたいと思っていることは幾つかあります。それらは別段大それた事でも大変お金の掛かる大事業でもありません。 その中で是非やってみたいのは「四国八十八ヵ所巡礼」です。日本で一番有名な遍路…

一坐の功をなす人も

普通、臨済宗の寺で坐禅が行われるとき、坐った後にふたつほど読経します。一つは般若心経、これは禅宗全てで読まれます。そしてもう一つが「白隠禅師和讃」というお経。これは臨済宗中興の祖、白隠禅師が在家のために書いた和讃で、江戸時代の日本語読みで…

なんば歩き

先週の日曜日に1年ぶりぐらいに私が師事している老師が住職する横浜の禅寺に行きました。それ以前の坐禅会は昨年10月だったので1年以上ぶりです。 そこでとても嬉しい話を聞きました。現在、老師の御子息は今年の春から建長寺僧堂で修行してます。何年か修行…

庭前脱蝉

昨夜帰宅すると、偶然にも自宅の門扉で羽化する蝉を見つけました。我が家には樹木が多いので羽化は珍しくありませんが、その場所は結構目立ちます(笑) 丁度いい感じだったのでお邪魔と思いつつ写真を撮らせていただきました。何度見ても神秘的ですね。手を合…

新しい旧教会

本日も恙なく11時に稽古を終えたのですが、通常であればそのまま帰宅するところ、好天ということもあり、珍しく、というか初めて手賀沼湖畔を散策してみたくなりました。私が稽古をしている柏市中央体育館は手賀沼の最西端にあり、手賀沼は東南東に約8キロほ…