不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

新しい旧教会

本日も恙なく11時に稽古を終えたのですが、通常であればそのまま帰宅するところ、好天ということもあり、珍しく、というか初めて手賀沼湖畔を散策してみたくなりました。私が稽古をしている柏市中央体育館は手賀沼の最西端にあり、手賀沼は東南東に約8キロほど伸びています。幅は広くはなく、狭いところで400メートル、広くても1キロほどです。昔はひらがなの「つ」のような形をしていましたが、曲線部分以後は全て干拓されて現在は田んぼになっています。また、曲線部分から西に2キロ行ったところに利根川があります。
柏中央体育館にはかれこれ20年以上も通っていましたが、対岸の湖畔公園以外の湖畔周辺には行ったことがありませんでした。あまりよろしくないですね(笑) 去年ぐらいから柏市我孫子市の地理の良さ、環境の良さを発見して以来、たまにGoogleマップなどを見ていました。
原付で走りましたが・・・想像したとおり、いやそれ以上に素晴らしい自然環境でした。昔から湖か大きな川があり、緑の多い場所に住みたいと思っていました。
柏市中央体育館から東端まで直線コースで8キロですが、道路に沿って走ると10キロ以上はあったでしょうか、それなりに長距離でした。

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手賀沼東部の田園地帯

実は今回、目的地がありました。
行った先は「千葉県指定文化財 旧手賀教会」です。
・・・教会ですが、日本では数少ない正教会の教会です。正教会信徒の皆様には大変無礼千万なのですが、こんな辺鄙なところにも信者さんがいるのかとまずそこに驚きました。カトリックプロテスタントなどのメジャーな宗派であればまああるかも知れないという感じですが、正教会ですよ、ロシア正教とかギリシャ正教とかのあれです。
実は個人的にはロシアやギリシャには良く行くので、普通の教会よりはなじみがあります(笑)

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見た目はごく普通の古民家の旧手賀教会



今回目的にしたこの旧手賀教会は、なんと建設されたのは明治14年1881年ですから今から丁度140年前です。また、この旧手賀教会、古いから文化財になったわけではなく、いわゆる「転用教会」としては日本ではほぼ唯一なのだそうです。どんなものかというと、元々は普通の家屋だったものを内部を教会のようにリフォームしたものということです。なので外部から見ると普通の古民家です。
驚くことにこんなところにかの亜使徒聖ニコライ大主教が布教の為に明治25年頃に訪れたとのことです。神田にあるニコライ堂を建設した、日本正教創建者ですね。手賀に来た時の日記もあったので読ませていただきましたが、それはもう東京から来るだけで大変だったそうです。

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日本正教創建者、亜使徒聖ニコライ大主教



駐車場が旧教会の裏手で、迂回しないと行けないという不便さはありますが、以前は駐車場がなかったので利便性は向上したようです。私が行ったときは2組ほどが見学を終えていました。駐車場のサインや旧手賀教会のサインが真新しいのは4月に改装が終わったばかりのためです。だからこの旧手賀教会は新しい旧教会、ってことになります(笑)
入場は無料ですが、時節柄係員に体温を測ってもらい、入場者記録を書くことが義務づけられています。内部の広さは思ったよりは広くなく、普通の日本家屋の広さというのでしょうか。ただリニューアルされたばかりだけあって古い建物に拘わらず真新しい(笑)

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イコノスタス(聖障)正教会独自のもの

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入り口から奥を見る

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ホントに普通の古民家を改造したものです。しかし独特の感じがいい。





教会周辺の家はもちろん大半が農家のようです。でも閑静な住宅街でいいですね。同じ柏市とは思えません。
今後、ロシアやギリシャから来た同門を連れてまた訪れてみたいと思います。

令和参年水無月十二日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋