不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

海外から見た日本の姿

貿易業をされている方はご存じかも知れません。

主に全アジア地域や中東地域の顧客とメールのやり取りや会話をするとき、日本語での敬称に当たる「さん(san)」を付けて呼ぶ方が圧倒的に多い。例えばメールでも「Dear ○○ san」という形で使われます。昨今は日本の文化が良く知られるようになってきていますが、それにしてもこの「san」の使われ方に時々感心することがあります。意外な国の人から使われたりします。

 

欧米人の中でもやはり日本文化にある程度敬意を持ったり憧れがある人でもよくこの敬称を使うことしばしばですが、まあ、欧米人はよほどフォーマルではない限りは「Dear」も使わないことが多いですかね。私は20年以上前から英名としてBruceを使っており、会社でも署名欄には「本名 + Bruce」と表記していますが、某国などでは「Bruce」「Hi Bruce」よくても「Hello Bruce」とかで返事が来ます。日本に敬意を持たないわけではないのでしょうけど、アジア圏や中東とは違うなぁ・・・とは思います(笑)

 

YouTubeなどでは下品な自国礼賛動画が多数上がっていて大半は見る気も起きないクオリティーというか作成意図を感じますが、比較的多くの国から一目置かれていることは多分事実に近いように思います。自国礼賛動画を作った連中も他国に対して敬意を欠かさないでもらいたいところですけどね。

 

先日大変人気だった日曜劇場「VIVANT」を全部視聴しました。大変予算もかかっていたようですが、素晴らしいサスペンスものでした。そのなかで日本では外国人によるテロ、特にイスラム系のテロは起きたことが無いという話になりましたが、中東では日本は大変敬意を持たれています。欧米諸国と違って日本は中東で戦争や紛争のために弾丸一発でも中東人に撃ったこともありませんし、武器や装備も供給したことがありません、さらに自衛隊が派兵されたのは国土復旧のためで、そのうえ莫大な量の石油を買っています。文化面でもイスラム教をそれほど激しく差別しませんし(最近はそうでもないかもしれませんが)、日本のアニメなども中東では大変人気だとか。もちろん車をはじめとする各種日本製品も愛用されています。そういう国を忌み嫌って攻撃対象と捉えるのは正直難しいように思いますがいかがでしょうか。

 

これを考えると例え日本が親米国家であってもテロリストでさえテロを実行するのはためらってしまうというものです。もちろん日本が島国で治安が良いというのもテロの実行を難しくしているというのもあります。実際多くの中東人に会ったことがありましたが、東南アジア人と同じく日本に対して大変敬意を持ってくれていたことが意外で恐縮したことが印象的でした。個人的には逆に欧米人はどんだけ中東人に横柄なんだよって思いますけど(笑) もちろん、実際にはイスラム系のテロが計画されたことがあるとか無いとかいう話も聞きますが、一体全体どれ程本気だったのか疑いを抱かざるを得ませんね。(この手の情報はよく国民の安全保障意識を高めるためにフェイクとして流されることが多々ありますし)

 

国家の安全は軍隊や警察よりも国民1人ひとりの素養の高さがより確実に安全に国を守るものです。これは理想論ですがその理想論に一番近い国が日本です。そして結構な割合でそれを実現化しています。惜しむらくは日本人は欧米人と違ってまだまだ異文化と接する経験値が低く、今後は特に若い世代にはもっと広く世界に出て欲しいと思いますが、日本は武力や経済力に因らない、国家の安全と国威掲揚を成し得てほしいところですね。

 

令和六年葉月二十六日

不動庵 碧洲齋

昔留学していたカンザスで見た夕焼け