不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

天象常ならざれば

昔から中国では天候を以て天意としています。
希有な天象が現れたときはそれを以て吉凶を占いました。

私の人生でも主なターニングポイントにはよく雪が関連しているように思います。
1986年2月22日土曜日、私は春日部武道館にて爾来38年師事することになる先生を待っていましたが、3日前に降って積もった大雪の白さと冷たさが今なお鮮明に覚えています。あのときの不安と期待がありありと思い出されます。

2007年3月、前の月に急逝した父を弔うために群馬県上州山深いところにある寺に行きました。そこは私が初めて禅の手解きを受けた寺でした。読経を終えて外に出たとき、季節外れの雪が降ってきました。ほんの短い時間でしたが、寺に咲いていた桜の木に雪が降り、幻想的な景色でした。その時私はある決意を持ったように思います。

そして今日、雪が降り夜になると雷が聞こえてきました。雪が降っているのに雷とは驚きましたがネットで調べると「雷雪」と言うのだそうです。
日本では東北や北陸で観られることもあるようですが希有な天象だそうです。私は降雪時の雷は生まれて初めて聞きました。
雪のせいなのか、普通の雷と違い、ジェット機が往来しているような音に聞こえて不思議な感じがします。

迷信なのかも知れませんが今日この雷雪を聞いたとき、大きな転機を迎える時節が到来したと感じました。
先月からすでに私の人生が大きく変わる徴が多く現れていて、今まで蓄えてきたものが転化してくるかのような感覚になります。

雷雪の音を聞いていると臥龍が雷雲を得て昇天するかのような、そんな錯覚にとらわれます。

多分今年1年は波瀾と変化に富んだ年になると思います。

令和六年如月五日
不動庵 碧洲齋