不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

国際連合という幻想

バイデン大統領が先日来日しました。そして驚くべき事に日本に対して常任理事国入りを支持したとのこと。これは歴史的な発言だと思います。
どのくらいの日本人がこの発言を好意的に受け止めたのか分りませんが、もしどこかでアンケート調査などをしていたら結果を知りたいものです。

・・・しかし、この時期にそれを言うのはどうでしょうか。できたらバブル期とかそのぐらいに言って欲しかった。
国連常任理事国たるロシアが時代錯誤的な侵略戦争をしています。
同じく国連常任理事国の中国も台湾に対して同じような意図を持って虎視眈々としています。それ以外のアジア地域に対してもかなり強引な軍事力を誇示した威力行為を止めません。
それあっての発言だと思いますが、ここでもし万が一、常任理事国になったらどうでしょうか。まず求められるのは「軍事力」の増強。そして国連平和維持軍への参加。戦後77年間、いわゆる「戦死者」を出さなかった日本は人的被害も辞さぬ心構えを持つよう誘導され、強制されるかも知れません。取り敢えず今までのようにリスク回避に徹底することは出来なくなります。

世界情勢は皮肉なもので、ロシアのウクライナ侵攻を受けて政府も国防予算を今までGNP1%程度だったものを世界的な割合である2%はどうかと提示してくる始末。数個前のブログにも書きましたが、日本は先進国の中で唯一、中露国境と接している国です。正直なところ防衛予算を上げて悪い理由はどこにもありません。

問題は常任理事国になることが良いか悪いかではありません。問題はそこではなく、「日本人にその覚悟があるか」ということだけです。覚悟があれば常任理事国を受けるもよし、戦後から続く憲法9条固守であれば受けない方がよく。
私の意見は日本もいよいよ歴史の大きな流れに流されて加速しつつある今、国民は総じて覚悟を持つべし、です。できたら辞退したいと思いますけど(笑)

国際連合という組織に変な幻想を持っているのは多分日本だけだと思います。「国際連合」などというご大層な名前は日本人の造語です。正確に訳すならそれは「連合国」です。先の大戦で対戦した諸国連合です。未だに日本は敵国条項に載っているほどです。つまりまだそういう程度の組織という事です。アニメや映画に出てくる地球連邦政府と勘違いしそうですが、国連はそこまで力のある組織ではありません。国連が世界政府のように感じてしまうのは日本人の幻想です。

確かに言いたいことはあります。かなり長年、日本は国連に対して拠出金を一番多く出してきました。その甲斐あって国連平和維持活動で自衛隊が出動しても危険を避けた場所で活動が出来るように配慮もしてもらいました。お金にモノを言わせていいとこ取りをしてきた感ありです。そして日本の経済は強大で円は世界にドル、ユーロと並んで国際通貨の一つです。世界中どこに行っても日本製品を見るばかりではなく、高性能と認識され、日本国民の素養も概ねかなり高いと認識されています。一部の国家では激烈に反対するかも知れませんが、日本が常任理事国に相応しい国であることは多分、ほとんどの国が認めています。問題は日本人がその覚悟があるかというその一点だけです。なお蛇足ですが国連には日本人職員があまりにも少ない、これは絶対ダメです。私も機会があったら働きたかった。

江戸時代という長い眠りから目覚めた日本が世界に見せたミラクルをまた令和の時代に見せられるのかどうか、私には全く分かりません。今回のロシア軍みたいに実はハリボテだったと晒してしまうかも知れませんし、中国軍に攻められてあっけなく陥落するかも知れません。ただいずれにしても日本はここらで一皮むける必要があるのではないかと思います。

令和四年皐月二十五日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

武神館 不動庵道場
【日時】2022年1月8日土曜日、14:00-16:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町231-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。