不動庵 碧眼録

日々想うままに徒然と綴っております。

ロシア

ロシアのウクライナ侵略以後、少なからぬ露国友人らと色々やり取りを交わしてきました。残念ながら今回の戦争について支持者もいました。彼らには彼らの持論があるようです。また、祖国を悪と見做したくないという気持ちも理解できます。更に言えば彼らは30年前までは社会主義国でしたし、その前は専制国家でしたからそもそも基本的人権とか参政権国際法などについてすぐ理解しろというのが無理な話です。

30年が長いのか短いのか分かりませんが、一般には人の1世代と考えられています。こう考えてみてはいかがでしょうか。日本が江戸時代から明治時代になったとき、「民主主義」なる概念も海外から入ってきました。その当時は学者しか理解しない概念でしたが大正末期になるといわゆる「大正デモクラシー」として人が持つ基本的人権や自由を理解しはじめました。その時点で60年。

しかしながらその前後から第1次世界大戦や世界恐慌、第2次世界大戦となり、軍国主義国家主義が台頭し、日本が完全な民主主義を享受できるようになったのは昭和20年以降です。つまり明治時代になってから80年以上も掛けてやっと民主主義を実現させました、しかし気分の悪いことにそれは連合国の思惑もあってのことです。

そう考えると今のロシアが西側諸国のような普通の民主主義が根付くのに少なく見積もってもあと半世紀はかかるでしょうか。もしかするとそれよりももっと長いかも知れませんし、あるいは中国人のように永遠に理解しないのかも知れません。

40代男性の友人の一人は「プーチンの在任20年は少々長いかも知れないが、歴代ロシア帝国の皇帝や旧ソビエト連邦のリーダーたちの任期を考えたら大したことない」と言っていました。彼は不正はびこると言っても選挙によって選ばれた大統領と専制君主社会主義国家のリーダーを同列に並べる程度の理解しかないというのが衝撃的でした。彼はまた「ロシア人は頻繁にリーダーが変わることを好まない」と言っていましたがつまり彼は民主主義を理解していないようです。

別の弁護士をしている友人は現在ロシアで行われている反戦デモの市民は逮捕されて然りと言っていました。非常事態時に国家の秩序を乱す者は逮捕されるべきだとのこと。もう言葉もありません。

今ロシアは情報統制されていると言ってもインターネット上ではかなり自由に情報を読むことができますが、それを読んでなお(読むだけマシで読まない人も多い)、ロシアの正義を信じている人が多い。

そう言うことで今私は大変な脱力感を感じています。国家権力の強力さ、強い影響力を痛感しています。個人を非難していいものか、個人も犠牲者なのか、もう分からなくなりました。

唯間違いなく言えることはしばらくロシアに行く気が失せたという事です。まだ何とも言えませんが行きたい気分になれません。いい風土の国だったのに大変残念です。とはいえもちろん、体感で半分以上のロシア国民は多分、戦争には反対だと思っています。

 

色々書きたいことはありますが、書いたら本が数冊できてしまうレベルなので止めます。

 

令和四年弥生十九日

不動庵 碧洲齋

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2016年末に行ったロシア・赤の広場