不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

自らを勘定に入れる勿れ

私の禅の師匠が良く言う言葉です。
「何かをするとき、自分を勘定に加えて物事を成すとたいていうまく行かない。」

「滅私奉公」とは戦時中に使われた便利な言葉ですが、出典は古代中国の書籍「戦国策」からです。戦国策という書籍自体、中国の春秋戦国時代における各国の軍略や知略の限りを尽した記録ですから大変面白い書籍です。
個人的にはこの「滅私奉公」が一番しっくりきます。
もちろん全体主義に加勢せよとか、個人の権利や自由を蔑ろにしろとか、そういう意味ではありません。何でもまず、自分が損をしない算段をする、という気持ちが強すぎるとイカンという意味ではないかと思います。

昨日は2021年度大河ドラマ「青天を衝け」が最終回を迎えました。個人的には近年にないぐらい感動的な終わり方でした。やはり戦国時代の話だと遠い昔の事柄ですが、戦前とは言え昭和時代の話だと、今にもリアルに続いていると実感できますので共感すること大です。
ドラマの中では三菱を作った岩崎弥太郎は中央集権的な人物として描かれていますが、渋沢栄一はその真逆を生きていました。戦前は三菱財閥という巨大コンツェルンがありましたが渋沢栄一は一族が金銭的な意味で繁栄することをずいぶん避けていたようです。また孤児院など、金にならないことにも大変資財を投入したことでも知られています。
渋沢栄一の生き方は私には「滅私奉公」のように映ります。

そんなことばかり言っていると尻の毛まで抜かれてしまう世の中ですが、なるべく人として尊く生きたいところです。

令和参年臘月二十七日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

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《お知らせ》

武神館 不動庵道場 開庵
【日時】2022年1月8日土曜日、13:00-15:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町231-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。