今回、遍路道を歩くのに最も活躍したのがスマホアプリ「HENRO HELPER」です。
去年の2月頃に遍路経験があるカナダ人女性が公開したそうです。
このアプリ地図の凄いところはかなり詳細な複数のルートが掲載されているところ。しかも5種類に色分けがされており、赤なら交通量が多い新道、黒は交通量が少ない道路、緑は整備された自然道、青は山道、紫はあまり整備されていない山道など。更に任意の目標物も目的別に出せます。宿泊施設4種類、コンビニ2種類(イートインありなし)、休憩所2種類(トイレありなし)、トイレ、ガススタンド、別格持院などなど、これからまだバージョンアップすると思うのですが、現在は現在位置は分かっても目標物まであと何キロというのはまだありません。以前までは主流と言われていた遍路道保存協会編のガイドブック、いわゆる「黄色本」よりも優れているように思います。後者の本も例えば宿泊施設から任意の札所まで何キロという表示があったりして便利な為、こちらも持参はしましたが基本それを開くのは宿にいるときだけです。
しかしこの黄色本、尺度も方位もバラバラで、慣れないとかなり分かりにくい。他の何人かの方が持っていた「みんなでつくった遍路道」とかいう方がもっと分かりやすかったように思います。あるいは外国人用のガイドブック「白色本」は厚みがあってもコンパクトなのでこちらも分かりやすかった。
黄色本でないと情報交換できないというアドバイスを頂いたことがありましたがこれも杞憂でした。今や歩き遍路の半分は外国人です。私は概ね英語を解すので宿で関わるお遍路さんの半分以上は外国人です。つまり外国人と情報交換する場合は黄色本はほぼ使いませんし、日本人であってもこのアプリでやり取りすることが多かったように思います。これはあくまで私の体験ですが。ただ歩き遍路をされる場合、確実に外国人とコミュニケーションを取らねばなりませんから割に普遍的だと思います。高齢の方、というか日本人お遍路さんの9割以上は65歳の定年退職をして年金生活をしているかたですが、その中にITを全く受け付けず、紙ベースの情報、つまり黄色本だけを頼りに歩いている人も少しいました。これは好みが分かれるところです。ただ電子地図を以てしても道を間違えることはしばしばありました。紙ベースなら尚更だと思います。
また私は小型タブレットも持参しました。タブレットには地図を表示させてスマホで次の宿に電話をするということをしていました。私の場合はAndroidですが、Android系の機器を2つ持つとかなり便利です。万が一スマホを無くしても通常回線の電話以外は全て代替が効くので万が一の時に助かります。そして四国には割に公衆電話も多いです。
個人的にはあと四国全部が分かる折り畳み地図があればよかったと思いましたね。四国全部が俯瞰できると見え方も異なると思った次第です。
日本人陣営も負けじと現在アプリを開発中であると、ある宿の主人から聞きました。事前にインストールした日本製アプリは全く使えませんでした。地図がGoogleだったためです。Googleマップ自体は現在地から目標までの概算距離を出してくれますから、山道以外では重宝しますが、それ以外でも古道を表示してくれるわけではないのであくまで参考的な距離に過ぎません。今後の開発に期待します。
私は遍路中、頻繁にスマホでこの「HENRO HELPER」の地図を見ました。それでも時折少し間違えてしまうこともありますが。こんなものがなかった時代は本当にどうやって歩いたのか、今となってはなかなか想像が付きません。
令和七年卯月三十日
不動庵 碧洲齋


