不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

遍路装備 雨具

52日間の間に雨具を使用する日が数日ありました。正確に数えていませんが5日以上10日未満ぐらいではなかったかと思います。つまりこの日はゲイタースパッツを穿いてポンチョを着たということです。
雨具については色々目からウロコでしたのでここに紹介します。
私は多少登山の経験もあったので、そこから遍路道を歩くということを考えた場合、上はポンチョで下はゲイタースパッツがベストと思っていました。上下セパレートの雨具は使い勝手が悪いと思いました。また、登山ではないので動きやすさはそこまで求めません。ポンチョであればサッと着てサッと脱ぐことができます。またポンチョはリュックサックも一緒に保護してくれます。
しかし現実にはずっと雨が降っていた場合、ポンチョであっても内部の結露でかなり衣服が濡れてしまうということ。ゴアテックスのセパレート雨具を着ていても同じく長く着用していると露でたっぷり濡れます。1日6-8時間とか歩いているとゴアテックスもあまり用を成しません。
そこで何人かの宿の主人とベテランが言っていた雨具が「傘」(笑) はい、普通の折り畳み傘です。
折り畳み傘を普段使いにすることで、通気性が抜群によくなります。
多少雨が強いとか山道や林道だったらゲイタースパッツ併用とか。風が強くない限りは傘が最も風を通して楽です。これは盲点だった。なので降り方が少ない順に記述すると、
1. 傘
2. 傘+ゲイタースパッツ
3. 傘+雨具ズボン下
4. ポンチョ+ゲイタースパッツ
5. ポンチョ+雨具ズボン下
こんな感じでしょうか。
なお雨具ズボン下は二回りぐらい大きい方がお勧め。理由は通気性がよくなることと、靴を脱がずに履けること。たぶん2サイズも大きかったら急ぎの場合は靴を脱がずに穿けると思います。
傘ですが、個人的にはなるべく大きい方が良いです。登山道などでも傘が邪魔になるような道はかなり少ないですし、少々の雨なら山道の場合、ほとんど森林によって守られます。多少携帯性が損なわれてもなるべく大きめの折りたたみ傘がお勧めです。
またポンチョのよいところは時々降っていないときなどはまくり上げてショルダーベルトなどに挟むことによって通気性を大幅によくできることです。上下セパレート式だとこれができません。故に普通の登山で使われる上下セパレート雨具は遍路では決して便利ではなく、ポンチョの方が良いのです(人に依りますが)

またゲイタースパッツはなるべく長いものがお勧めです。

靴の問題です。雨が長引くとそうしても靴の中にまで雨が滲みてきます。これは避けようがありません。ただし私は雨が強かったときにコンビニ袋を靴に履かせて、その端をゲイタースパッツに挟み込み、数時間濡れるのを遅らせることができました。若干滑りやすくなりますが、3-4時間以上も靴が濡れなかったのは大きかったです。とは言えその後はやはり雨は滲みてきました。その次に重要なのは宿に着いたら濡れた靴をいかに早く乾かすかです。基本的には宿に着いたらインナーソールを外して靴の中に新聞紙をギュウギュウに詰め込み、あまり酷く濡れていたら食後にまた交換して一晩待つというものでしたが、完全に乾きました。普通、新聞紙は宿にて用意されています。

菅笠です。カッパ付属のフードに較べると菅笠は大変便利です。直射日光も雨も防ぎ、しかも視界を確保してくれます。以前のブログでも書きましたが、基本大きい方が確実に利点が多いです。私は菅笠ではなく網代笠を使いました。
菅笠に防水用のビニールをずっと付けたままにしておいている人がいますがよくありません。被っているのであれば通気性が損なわれる為です。また、ずっとカバーをつけっぱなしにしていると紫外線でビニールが劣化してしまいます。更に少々の雨だったらビニールカバーがなくても下に垂れてくることはほぼありません。雨が結構垂れてくるときは降り方が激しいときだけです。

以上雨の装備についてでした。

令和七年皐月七日
不動庵 碧洲齋

途中で一緒になった台湾人の女性遍路さんは傘を差していた。

私は菅笠ではなく網代笠を使っていた。またポンチョは大きめのサイズだったがどうしても膝の辺りだけが出てしまう。膝の少し下からはゲイタースパットがカバーする。