不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

入門爾来三十七年

本日は2月22日、ネコの日だそうです。鳴き声から来たようです。
また、伊賀市では「忍者の日」だそうです、ニンニンニンだから?(笑)

今から37年前、1986年の今日、私は武神館に入門しました。
当時は数日前に大雪が降って、師匠が指南していた春日部武道館もまだ雪が多く残っていて、今でもあの雪の白さと冷たさをよく覚えています。

また初めて会った師匠も想像していたような厳しい方ではなく、笑顔の絶えない方でそれが逆に驚きでした。
当時の師匠の年齢は42歳、現在の私の方が10歳以上も年上ですが、今思い返しても当時の師匠の方が大人だった気がします。

今思うとかなり生意気な高校生だったと冷や汗ものでしたが、今でも師匠の寛容な心に感謝するばかりです。今の私だったらあんな生意気な高校生が来たら確実にボコります(笑)

武神館に入門して良かったと思うことは既存の武道、格闘技に較べて遥かに柔軟性に富んだ考え方、技法ということ。伝統の技法もありますが、世界中から軍人や警察官など、その道のプロが集いますから実戦という意味でも普通の古武道とは一線を画するものがあります。
それとこれはよく知られてますが、国際的であると言うこと。コロナ禍を除き、稽古のたびに色々な国から色々な人が来日して稽古に参加します。そう言うこともあって私は高校を卒業する頃には日常会話ぐらいならできるようになりましたし、その後米国に留学したり、日本語教師になったりして、現在も機械メーカーの輸出部門に勤務しているため、公私ともに英語を使わない日はまずありません。
日常に外国人がいるのが普通になっているというのは日本では残念ながらまだまだ少数と言わざるを得ません。
また、昨今ではSNSがあり、昔は遠い国だった同門とも日常のようにやり取りができるようになりました。世界中に武友がいる身としては科学の恩恵のありがたさが身に染みます。

37年も武芸に精進しているというと驚かれる方もいるのですが、実際のところ自分自身で毎日毎回稽古時に感じるのは「毎回初心者」(笑)のような感覚。何となく多少上手くなっているのかなと言う錯覚のような薄い上着を羽織っている程度でしょうか。
故に「強いオレを見ろ」「オレは強い」オーラをガンガン出している人の心の強さには敬服しかありません、実際にその人たちが上手いかどうかは別として。私なんて毎回結構神経質になります(笑)

個人的には自分は上手いという慢心よりも、上手くなりたいという志を持っていた方が健全だと思っています。

 

我征くは
志がままの
独り旅
路の半ばに
尽き果つるとも


令和五年二月二十二日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

黒瀧山不動寺にて