不動庵 碧眼録

日々想うままに徒然と綴っております。

武道と格闘技の差

前にも書きましたが、また書き足します。
最近はあまりやらなくなりましたが、20代の頃はよく複数と対峙する稽古をしたものです。1対複数です。1対4というのもやったことがあります。丁度士導師(先生)の段位を拝受した後ぐらいでしたでしょうか。もっと凄かったのは私は小太刀(脇差し)で4人の槍を持った相手を始末する稽古など。片手で稽古というのもあったかも知れません。

私は山籠もりや武友たちと稽古するときは山中の傾斜地や障害物が多いところで稽古したこともあります。戦闘環境がかなり異なる状況下で戦う術を学びました。他流はどうか分かりませんし、同門でも他の道場についてもあまり分かりませんが、武芸は本来この位考えて稽古せねばなりません。30代ぐらいからは畳の上でも岩場の如く、森林中の如く、相手が1人でも複数の如く動けるようになりました。

スポーツ格闘技家でももしかするとこの位できる方もいるかもしれませんが、基本スポーツ格闘技ではまずあり得ない状況なのでそもそもそういう環境下でトレーニングをする必要がありません。試合では5-7m四方の正方形の上でのみ戦います。戦いそのものは厳正にルール下のもとで行われますが、逆にそれだけにかなりハードです。私自身も昔、ボクシングやキックボクシングを観戦したことがありますが、観ている方もアツくなりますし痛みを覚えるほどです。さすが観戦格闘技だと思いましたね。自分で言うのも何ですが、正直古流の演武よりもずっと面白かったと記憶しています。

スポーツ格闘技は相手、場所、日時、時限、ルールが明白に定まっている戦いで、古流はそうではないということです。スポーツ格闘技は古流より強い、と言う方もいますがある意味それは正しい。そしてそれは上記の条件が揃った場所では特に。

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図にしてみました。これは以前海外同門に説明する為に作ったものなので英語になっていますが、分かると思います。★がスポーツ格闘技における試合です。スポーツ格闘技選手たちはこの★ポイントまでに万全にしておく必要があります。戦うべきポイントが明白だからです。故に激しい戦いなのかも知れませんが。

武道、特に古流では青線の如くありたいと思っています。古流にてスキルアップをするというのはこの青線のレベルをどれだけ上げられるかに掛かっています。スポーツ格闘技家は寝込みを襲われたり、街を歩いているときに背後から襲われてケガをしても恥ずかしいことではありませんが、武道家はそうではありません。確実に武門を汚しかねない、恥ずべき失態です(あ~すみません、ちょっと言い過ぎですが)。日常の生活にあってもどれだけ常在戦場の状態でいられるか、というのがポイントです。スポーツ格闘技家には引退がありますが、古流では基本、本人が引退と言わない限りは現役です。試合がないからテキトーでもいいや・・・ということも可能ですが、試合がないからこそ古流を学ぶ人はいつも極限まで神経を研ぎ澄ませて稽古をする必要があります。そういう意味ではスポーツ格闘技家よりも古流の武道家の方が強い場合もあるということでしょうか。もっとも私は流派や種類に関係なく、個人の資質にほとんどが掛かっているという主張を取りたいところです。実際流派によって強い弱いという議論はほとんど意味を為しません。

 

令和参年皐月三十日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

 

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