不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

豪州見聞録 2


今回私は友人宅に滞在したので、オーストラリア人の日常生活について紹介したいと思います。
先ずは交通事情から。
友人宅はメルボルン中心街から概ね北東20キロの緑豊かな丘陵地にあります。
もっとも、元々メルボルンは世界的に緑豊かな街として知られていますので、友人宅は本当に森の中にあるという感じです。
そのようなところに住んでいる人も多いので、当然自動車の所有率は高く、一家に2台以上というのも珍しくありません。以前住んでいたホストファミリーも今回の友人宅にも2台あります。

友人宅の車は両方とも電気自動車でした。1台はわざわざ日本から輸入した三菱の軽自動車のワンボックスタイプ、もう1台はGMSUVタイプ。近場の場合は前者、距離がある場合は後者という感じで本人と奥さんとで使い分けています。

充電は自宅にある充電器にて行いますが、比較的大きめのショッピングセンターなどに行った時も充電します。道中にて充電したのはホストファミリーが老後に住み始めたメルボルン郊外の家に泊まりに行った際に迎えに来てくれたときです。片道200kmもあったので帰路にはさすがに途中一度充電しました。時間にして30分弱程度、小さい街を見物して時間を潰しました。

それ以外ではそのような充電時間の不便はなく、日常的な脚としては電気自動車の優位性は高いように思います。オーストラリアではコロナ禍の間に電気自動車に乗換える人が増えたようです。日本と較べると若干多いという程度でしょうか。ただし車種は日本よりも多彩です。

別の友人はテスラに乗っていました。帰国当日、以前住んでいた海岸沿いの街に行き、それから空港まで乗せていってもらったのですが、テスラは本当に未来の車という感じでした。パワーも素晴らしくスポーツカー並の加速力。フロントパネル中央にはデスクトップパソコンのモニターぐらいの大きさの液晶パネルが縦にはめ込まれていてそこで全てを操作できます。高速道路では自動運転もできるようで実際にそれを見ましたが、まるで往時のナイトライダーのようでした。レーダー類の性能も素晴らしく10メートル以上先の複数の車も探知して運転席前のパネルにモノクロで表示します。全方位での接近も距離に応じて白、黄、赤の波で表示されます。
外観も未来的であることは言うまでもありませんが、ドアノブがロック時にはボディの一部となっていて、解除するとノブがせり出てきます(笑) 値段は分りませんが多分高いのでしょう。

なお車の法制は州によって異なります。シドニーがあるニューサウスウェールズ州には日本と同じ車検がありしかも1年ごととか(笑) なので車の維持費は結構高いようです。(でも日本よりは安いと思います)
メルボルンのあるヴィクトリア州には車検はありませんので安いですが車の維持は自己責任です。これを安いと見るのか高いと見るのか。

ガス代は当然今はどこも高くなっています。故に電気自動車やハイブリッド自動車に乗換える人が多くなってきています。ハイブリッドはダントツで日本車が人気です。ホストペアレンツもトヨタのビスタに乗っていました。以前も日産に乗っていました。走っている車の半分以上は日本車ですから選択肢としては普通にあるのでしょう。

今回初めて長距離列車に乗りました。ホストファミリーが住むメルボルン郊外に行くためです。街の名前はバララット、昔は金鉱で栄えた街の一つです(今でも金は産出してます)。以前は長距離列車には乗ったことがありませんでした。長距離と言っても時間にして2時間未満程度。日本で言えば東京駅から埼玉県を跨いで群馬県高崎市や栃木県の足利市に行く感じでしょうか。以前は鉄道があまり整備されておらず速度が出なかったようで、もっと時間がかかったと記憶しています。私は以前、ホストファミリーの子供とその友だちを連れて車でバララットまで行きましたが結構遠かったように思います。今では鉄道も駅も真っ新になっていて、ちょっとした通勤圏になっているようで驚きます。より安い土地を求めるとやはり都心から離れたところになるのは万国共通のようです。

あいにく今回は近郊鉄道に乗る機会がありませんでした。しかし以前住んでいた海辺の街には行きました。ひなびたホームだけがある小さな駅だったのが、今や日本のちょっと郊外にあるオシャレできれいな駅舎になってしまいちょっと残念な気もします。鉄道自体も半地下式になっていて踏切がなくなりました。便利になるというのは半面何か寂しいものがあります。

令和四年葉月十九日
不動庵 碧洲齋

滞在した友人の所有する電気自動車。豪州には軽自動車はないので珍しい。

他の友人が使っていたテスラ。液晶パネルの大きさがハンパない。まさに未来の車です。

長距離列車の中。まだできたてで新しい感じがしました。シートの座り心地も良かった。

このように何もない地平線を目指して2時間近く走りました。

この駅は到着した駅の次の駅ですが、このように古い様式を守っていて大変風格がありました。

駅のプラットフォームも映画に出てきそうな雰囲気です。ベンチに座って本を読んでいる人もいました。

駅の待合室。待合室の隣にはカフェが併設されてますが、同じように古い様式で圧倒されます。

以前住んでいたボンビーチという小さな町の駅ですが・・・かなり変わって昔の面影はありません。