不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

豪州見聞録 3

ホストファミリーも友人も自宅近所に行き付けのカフェがあります。毎朝そこに行って近所の人たちと語らいながらコーヒーやカプチーノを飲むひとときの時間があります。近隣住民とのコミュニケーションも自然で素晴らしいものがあります。この辺は日本の方が近隣住民との絆は希薄になってきていますよね。私がメルボルンで勤務していたときは職場の目の前のカフェがそれでした。オーナーはトルコ人で熱烈な親日家でした。実際従業員の多くはワーホリで来ていた日本人でした。曰く日本人だと経理まで安心して任せられるとか。
日本でもスタバなどで時間を潰す人は多いですが、みんな孤独ですよね。この辺は考えさせられます。
 
友人家庭には子供が3人もいますが、全員親の送迎を必要としています。国が広いので学校も遠いのです。しかし日本以上に選択肢が広く、例え公立であっても学区以外の学校を選択することがあります。なのでどの学校も独自色を強めたり、教育の質を上げたりと、キチンと競争原理が働いています(笑) 私が一時日本語を教えていた小学校は一時期閉鎖されていましたが今回行ってみると何やら周囲の人口が激増して学校も増築を重ねて同じ学校とは思えませんでした(笑) 私は昔のひなびた感じが良かったのですが・・・。歩いて行けるところに学校があるのは地域に根付いているのでそれもいいのですが、子供にはより幅の広い選択ができるのもいいですよね。
 
オーストラリアの離婚率は2017年のデータによると1000人あたりで2.0、日本では1.7。最新のデータ(去年)では1.5なので改善してますね。日本も増えています。とはいえオーストラリアの方がまだまだ多い。友人知人の中にも離婚者は少なからずです。ある離婚経験がある友人にそれについて(特に子供について)尋ねる機会がありましたが、やはり離婚は勧められないとのこと(笑) しかしながら西洋人ですから個人の幸福の追求のためには止むなし、ということなんでしょうか。本人も言ってましたがこれは子供にとっても良くありません。せめて子供がある程度独り立ちするまで我慢できないんでしょうか。難しいところではありますが。
 
物価は全体的に日本と比して高く感じるようになりました(笑) これが21年前と大きく違う部分でしょうか。日本経済の凋落ぶりに身を以て痛感させられました。ある日の朝、カフェで一番高い朝食セットを注文しましたが価格は日本円で約2000円。日本の朝食メニューで2000円というのはないでしょう。もっとも日本人からしたら「こんな量食べられないだろ!」というレベルでしたが(私は食べました)。飲み物や料理、食材も日本と大体同じか高く感じましたが、果物類や鮮魚類は安かったです。オーストラリアの経済は概して堅調なので、日本経済の衰退ぶりがよく分かった感じです。
 
今回のオーストラリア旅行についての雑感はこの辺にしておきます。
 
令和四年葉月二十一日
不動庵 碧洲齋

1995年に1学期だけ日本語を教えていた小学校。名前の通り海のすぐそばです。

新しくなったボンビーチ駅、昔はもっと簡素な建物だった。

ボンビーチ、本当に美しい海岸です。住んでいたところから数分だったのでよく来ました。