不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

まず一度、国を離れよ

8月7日から本日17日まで、ほぼ3年ぶりに海外に行きました。行った先はオーストラリア・メルボルン
今まで仕事で2回、両親の観光付き添いで1回、新婚旅行で1回行きましたが、最後に訪れたのは2001年、21年ぶりの訪問でした。
 
帰路は日本人青年と隣り合わせの席でした。タスマニア島ホバートでなんと9年間も住んでいたそうです。永住権も持っているとか。日本社会の在り方に疑問を感じて会社員を辞めて行ったそうですが、それまでもバックパッカーとして東南アジアなどにも行ったそうです。意気投合して機内で3時間以上も話してました(笑)
 
今回メルボルンを訪れて感じたことの一つが、外国からの移民者が更に多くなったこと。昔からオーストラリアには移民者は多かったのですが、最近は特に顕著に感じました。中国人、韓国人、ベトナム人、タイ人、インド人、イスラム系、イタリア人、ギリシャ人などなど、メルボルンの街は大変国際的です。
 
メルボルンで有名なクィーンズ・ビクトリアマーケットにも行きました。そこで色々土産物などを買いました。以前よりもずっと移民者が多くなり、これには大変驚きました。アジア系が多いように思いました。
移民者たちは皆、異国で一旗上げようという方が多く、本当に一生懸命に働いていて頭が下がります。3Kの仕事をしている人もいますし、商売を始める人もいます。ビジネスで成功している人もいます。
オーストラリア社会に人種差別がないとは言いませんが、移民者たちにはそれをはねのけてそこで生活するたくましさがあります。
 
滞在中、日本人移民者で商売をしている人はたった1人しか見かけませんでした。友人が毎週行っている日本料理屋の女将です。更に言えば以前よりも日本人移住者、あるいは商売をしている人の数は少ないように感じました。
 
昨今、ネット上では日本人同士でさまざまな議論が争われています。日本の悪い部分をクローズアップしたり、良い部分をことさら誉め讃えたり。
しかし私はいつもその日本人同士で議論されることに違和感を感じます。リアリティーが少ないというのか。
多くは外国の空気を吸ったことがない人が主立っているからかも知れません。
 

まず一度、国を離れよ。

 
私はまずこう言いたい。若者は観光などではなくバックパッカーでもいいしワーキングホリデーでもいいし、留学でもいい。外国の空気を多く吸って見聞してみるべきだと思います。そうすることで世界における日本の立ち位置が分かります。外国人と生の交流が持て、軽い議論にリアリティーを帯びてきます。
特に昨今はITが発達しています。英語などができなくとも翻訳アプリがあればそこそこ難しい議論だってできるはずです。
私の体験では政治や宗教、軍事、国際関係の話までできる友人が作れたら見事なものです。これにはまず信頼関係がなければできませんから。
 
ご大層な国際政治や文化交流を宣うよりも、この小さな社会から一度出て、どっぷり外国の中で自分が「外国人」として生活してみれば、多分もっとよく逆に日本が今どんな状態にあるのか、分かるようになると思います。
若者は日本社会というウチワではなく、もっと外を見るべきである。
 
令和四年葉月十七日
不動庵 碧洲齋

メルボルンの高層ビル街

ビクトリアマーケットの外観

ビクトリアマーケットの中、かなり多くの露店が連ねる