不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

コロナ禍 まだ早い総括とか

この1ヶ月でコロナウイルスのワクチン接種が大変増えてきました。
昨日のニュースでは管総理は10月か11月には国民全ての接種を終えたいという意向があったとか。
今年末ぐらいまでに収束した場合、このコロナ禍はほぼ2年に亘って続いたことになります。
まだ収束していないので総括するには早すぎますが、取り敢えず現在までを総括すると死者が14000人弱、9割以上は65歳以上の高齢者。普通のインフルエンザでの死者数が3000人から6000人程度が多いようなので、それよりは明らかに多いのですが、去年と今年はインフルエンザや交通事故で死んだ人がずっと少ないので超過死数で言うと、マイナスだそうです。先進国では超過死数がマイナスだったのは日本だけだったかも知れません。

ちなみに米国では本日までに59万人以上が亡くなっています。この数字は第2次世界大戦での米国軍人死者数を上回るそうです。米国在住の友人たちは、現在、多くの米国市民はコロナ禍など無かったかのように生活していると言っていましたが、驚く事なかれ今でも毎日500人ぐらいずつ亡くなっています。日本の5倍です。ちなみに米国の人口は日本の2.5倍強です。つまり死亡率は単純に倍です。アメリカという国はあらゆる犯罪で人が簡単に死にます。特に銃での犯罪はよく知られていますが、500人というのは大した数ではないのかも知れません。日本も未だ毎日100人前後が亡くなっていますが、現在高齢者を中心にワクチン接種が迅速に行われているので恐らく死亡者数は間もなく急激に減ると思っています。前にも書きましたが日本ではコロナで亡くなる人の9割以上は高齢者ですから。

2年間の忍耐というのは長いのか短いのか考えます。
日清戦争は1年ちょっとでした。近代戦争では割とキツかった日露戦争でも1年半です。あり得ない程の大敗を喫してしまった先の大東亜戦争は3年8ヶ月、大した産業力もなかったのによくやったものです。先の二つの戦争に較べて大東亜戦争での国民の苦しみは筆舌に尽くしがたいものがあります。
コロナ禍と戦争は違うというのであれば、前回のスペイン風邪で較べてみましょう。
Wikipediaによると日本におけるスペイン風邪流行の期間は1918年8月から1921年7月とあります。丁度3年ですね。死者は39万人弱。これは台湾や朝鮮は含まれているのでしょうか。致死率は1.63%だそうです。ちなみに現在のコロナウイルスの致死率は2.16%ということですから100年前のスペイン風邪よりもよほど強力であることは間違いなさそうです。それでも現在のアメリカの死者数を考えると日本の公衆衛生観念の秀逸さはこの数字でもよく分かりますね。それほど医学が進歩していなかったのにこの程度で抑えられたのは素晴らしいと思います。

個人的には日本人なら2年ぐらいは十分耐えうると信じたかったのですが、難しかったですか。商売などをされている方は仕方ないにしてもサラリーマン層ぐらいは耐え忍んで欲しかった。隠忍自重して世界に日本人の精華を知らしめて欲しかったところです。自由がない、制限があると言っても多くの他国では特別法で罰則が作られたほど、日本では単に要請ベースです。それを守っている日本人も恐ろしいほどですが。

来年の今頃はたぶん、よほどのことがない限りはマスクをすることもないでしょうが、このコロナ禍の2年から人類が何かを学び取って貰えたらと思います。・・・個人的には公衆衛生習慣ですかね(笑)

コロナ禍が明けるであろう来年は久々に海外に行きたいところです。

令和参年水無月十日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋