不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ナースのお仕事

昔、留学中に1人の日本人看護師と会ったことがあります。語学留学で短期でしたが大変印象深い方でした。
どんな方だったかというと・・・カフェに真っ赤なボディコン着て、数人の手下みたいなお姉様方をゾロゾロ引き連れてやってくる感じの方(笑) 髪も限りなく金髪っぽかったし。
いや~当時の私としては(今でもですが)そういう方はちょっと・・・
しばらくはなるべく接触するのを避けてましたが、そのグループは結構な美人揃いだったので周囲の方々にはなかなか人気だったようです(笑)
仮にそのナースさんはMさんとしておきましょう。

ある日のこと、学校近くのマックで昼食を食べながら勉強していたら偶然そのMさんが珍しく1人でやって来ました。で、何も言わないのにトレイを持って私のところに来るなり「ここ座るわね」と(笑) こういう女性には弱いんですよ、私は。
仕方ないのでしばらく会話に付き合っていましたが、ちょっと興味を覚えました。
その時初めてナースであることを知りました。(本人は准看護師でしたがグループ内にもう2人もナースさんがいました)で、専門というか長く勤めていた部署はいわゆるターミナルケアのようなところ。特に老人介護も兼ねたような病院だったそうです。
資産はそこそこあるものの、家族は全く関与しないような老人たちの面倒をみていたそうです。
患者というか利用者が健康なうちは全く家族の訪問などなかったのに、死に際になると部屋に入りきれないぐらいの親族がやってきて、本人の枕元で見にくく争うのはくることはしょっちゅうだったとか、我儘な老人の介護でも忍耐強く誠実にやるとある程度分かってくれて、我儘な態度は薄れるとか、なかなか興味深いものでした。Mさん曰く、産婦人科で取り上げる新生児も生まれたときは結構汚いし、死んでいく老人だって汚い、どっちも変わらないぐらい汚いのに長く生きている人に敬意を払わないのはどういうことだ、と。メチャクチャ派手なお姉さんから出た言葉にしては衝撃的でした。そういう老人介護というストレスもあってヘビースモーカーだったし、お酒もまあまあ飲むし、男とガンガン寝たそうですが、ある日疲れて一旦職を辞してアメリカに来たという事でした。
以後、恥ずかしながら子分みたいになってしまいました(笑) 他のお姉さんたちともちょっと仲良くなりました(笑) 実際、話してみるとみんな大人です(当時私は20歳ぐらいで、Mさんは24歳、グループの女性たちは全員年上の、文字通りお姉さんでした)。Mさんはずっと私の行動を見ていたようで、他の人とあまり群れないので内心感心していたそうです。それでマックで見かけたので声を掛けたそうです。恐れ入ります。

一緒にいた期間はそれ程長くはありませんでしたが、一生懸命に尽させて頂きました(笑) 用心棒みたいな感じだったのかな(笑)
何度か(特に中東系)の男がMさんに言い寄ってきて、気の強いMさんは完全無視したりすると中には「この売女め!」みたいな捨て台詞を残したりしますが・・・その・・・そういう暴言を吐く方にはちょっと場所を変えて・・・何と言うか・・・私の武芸の肥やしになって頂いたことも・・・あったかも知れません、たぶん。そしてそれは2度3度ではなかったような気がします・・・多分(笑) なにせMさんはけっこうな美人ですからそういう風に言い寄る男が多いのです。で、一度などは「いささか化粧が派手ではないでしょうか」と言ったら翌日ノーメークで登校してきて私が慌てました。(ノーメークでも美人でしたけど)
私は年上は好みではなかったので、女性としてはあまり見てなかった気がしますが、一度などは寮の部屋行ったら下着で歩き回っていてぶったまげたことがあります。しかしMさんは「あんたを弟のように思っているので気にしないで」って言われたときは一生忠誠を尽しますって内心呟きました(笑) たぶんそれは私にとって結構な殺し文句です。

帰国したらまた、同じような病院で勤めることが決まっていたようです。給料は良かったようです。
今でも元気でいるでしょうか、ドラマでナースを見ると何時も思い出します。

 令和参年皐月十八日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

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ナース役がよく似合う比嘉愛未さん。