不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

碧呟聲 天地を味方に

今朝の東京近郊はある意味初めて冬らしい気温になった。もっともまだ氷は張ってないので言うほど寒くはないのだろう。仕事始めという事もあって気分が晴れているわけでもなし(笑)

夏と冬の稽古においてなかなか的を射ていると思う言葉がある。

「夏は気を練り冬は体を練る」

伝統芸能もしくは古武道の警句のはずだがネットで調べても出てこない。断りを入れておくが私の言葉ではない。

夏は言うまでもなく暑い。その暑い中で稽古をすれば更に暑くなる。根気がないと暑い時季の稽古は継続できないものだが、同時にそれを継続させるためのノウハウも学ばねばならない。「気を練る」に囚われると単なる「根性論」になってしまう。

逆に冬は寒い。とはいえ寒いが体を動かすと結構快適な鍛錬環境になる。故にこそ夏季にはどうしても集中できなかった精緻な動き、ギリギリの精度や筋力を高める良い時季である。

私も10代20代半ばまでこの原理をよくよく噛みしめて稽古してきた。

春夏秋冬、晴雨曇雪風嵐昼夜、自然の原理をも味方に付けて稽古をする者はより先んじることができるのである。

令和二年睦月六日

不動庵 碧洲齋