不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

一旦戦起こらば

最近、息子に尋ねたことがあります。
もし敵が日本に侵略してきたらお前はどうするか?
息子は少し考えてから「戦は無意味だからオレは逃げる」と言いました。
最初は少し驚きましたが、実のところそれが一番よい選択のように思いました。
私は武芸に志してから今に至るまで、一旦急あらば国や皇室のために命を投げ出してもよいといつも誓ってきました。
しかし息子は違います。私のように武門をくぐってもいなければ、歴史や文化に造詣が深いわけでもありません。
ただ息子の名誉のために言っておきますが、彼自身の祖国愛や皇室を崇敬する気持ちは同年代の中ではかなり強い方だと思っています。

戦争の罪悪の最たるものは若者から死んでいくこと、それなら戦の覚悟や多少の心得がある父親である私が戦い、息子は国外に逃がすというのは戦争の罪悪に反し、かつ自然の摂理に適っています。
息子が卑怯者だとは思いません。私の命を踏み台にして生き延びればいいことです。
もちろん後で本人が私の死を知って考えを改めることはあるでしょうが、正直名誉の戦死よりも恥を忍んでも生き延びてほしいと、親としては強く願います。
私には武士的な誉とか忠義とか尚武という考えはありません。我が武門はサムライ兵法ではないので。

今の日本を取り巻く状況を見ると、まさか今更ロシアが愚行を犯す力が残っているとは思えませんが、例えば経済が崩壊し始めた中国が暴走する可能性は十分にあります。自衛隊で十分対処できると信じて高い税金を黙々と払っていますが、民間人も必要になるというのであれば多分私は参加します。そしてできるだけ若い世代には参加させないようにしたい。
もちろん日本の防衛の精華は相手に撃たせないこと他なりません。国民は皆、そのような外交を期待しているはずです。
私も海外に日本について発信しているのはそういう理由もあります。幸いにも昨今日本文化は世界で大変なブームになっていることはありがたいことです。それが高じて攻める気になれない国になれば幸いです。

ふと、ウクライナの現状を紹介した動画を観て思ったことです。

令和六年弥生三日
不動庵 碧洲齋

幼少の頃の息子、靖国神社にて