不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

柴堆三国志

私は高校1年生の時から三国志が好きでしたが、中でも一番好きだったのが・・・曹操(笑) 劉備はあまり好きではないです。曹操は軍人、政治家、文人、父親として劉備よりもはるかに器が大きく優秀でしたので。既にその頃から中国では曹操や始皇帝について再評価され始めた頃でした。なのでマンガ「蒼天航路」や「キングダム」が人気を博しているのはとても嬉しいですね。

 

とはいえ・・・何と言っても別格なのが諸葛孔明。冷静に考えると三国の中で一番小さな国に就職したというのは、ある意味自分の手腕を試したいという野心があったからではないでしょうか、大人になってから気付きましたが。しかしそういうのは好きですね。そうは言っても彼が残した手紙や兵法書、実績を鑑みるに清廉潔癖だったことは間違いなく、天下を取れそうにない国の為に奔走する姿は見事です。

 

日本では少し前から「if戦記」とか「架空戦記」なるジャンルが大変人気を博しています。前者だと檜山良昭先生の「アメリカ本土決戦」とかが有名ですし、後者だと荒巻義雄先生の「紺碧の艦隊」「旭日の艦隊」が有名ですね。どれもなかなかおもしろく読み応えあります。歴史にIFはありませんが、これはこれで楽しめるものです。

 

最近話題になっている作品の一つが「パリピ孔明」。これはジャンルで言えばSFなのか架空(戦記?)なのか(笑) 話がぶっ飛んでいますが、アニメも実写もなかなかこれが面白い、ま、私の孔明びいきと言うのもありますが。実は孔明が出てくる「三国志」にも「if戦記」あるいは「架空戦記」があるのです。ご存じでしたか?名前は「柴堆三国志」。「柴堆」の意味は柴が積まれた様子ですが、うろ覚えだと柴狩りに行った次いで、仲間とくだらない話をしたとか、そんな感じだったと思いますが違ったら済みません。

 

どんな内容かと言えば、やっぱり孔明が五丈原で病没した後、三顧の礼の時の昼寝から目覚めるのですが、前世の記憶があるのでそれを利用して復活戦を挑むというお話し。当然ながら蜀の国はブッチギリで強く、魏の国や呉の国を軽々と(でもないか)打ち破って劉備が見事に中華平定して後漢王朝の正統継承王朝を打立てるというお話しです(笑) 史実の孔明の奥さんは結構な醜女だったそうですが、「柴堆三国志」では絶世の美女で前世と違ってヲタク気質の夫に大変理解があり、本人も発明ヲタクっていうのが妙に印象深かった(笑)

 

「パリピ孔明」を描いた四葉夕卜先生はこの「柴堆三国志」をご存じだったのでしょうか。日本でも読みやすい「柴堆三国志」が複数出ているはずなので読んでいるような気がします。三国志ファンの方、結構面白いので是非一度読んでみてください。

 

令和五年霜月八日

不動庵 碧洲齋