別に中国に攻めに行く訳ではありません。
あしからず。
来週から中国から研修生が二人程、来日します。
よりによってこんな時期に、と思わなくもありませんが、これは弊社の恒例?行事で、長年中国工場で勤務した方にご褒美として研修の機会を与えます。
あ、もちろんちゃんとした短期研修ビザも取得してますよ(笑)。最近はなかなかビザが下りないので本当に大変だと聞いています。
私がここに勤務するようになってから、5年近くで今回で10人ほど来ました。大体、1年に1回、2名ペアです。一人は必ず日本語が話せます。現地からすると日系企業なので日本語が話せるスタッフが割といるのです。
個人的に今の中国政府の態度は大嫌いですが、中国の歴史は日本の歴史と双璧で大好きです。かなり勉強しました。諸子百家もおよそほとんど読みました。孔明と曹操は今でも私のヒーローです。今の中国人民も民度が低いとは言いますが、本当に色々います。例えば我が社の中国工場に勤務している人たちの、特に事務方のスタッフは本当に日本が好きで日本人みたいな人が多いのです。中には日本人以上に日本人らしい人もいます。無論、外に行けばよからぬ事でテレビに映っているような人もいますが、何せ人が多い。本当にピンキリの幅が日本よりも広い。
私は基本、日本に来た研修生と積極的に交流を持って、よくあちこちに連れて行きます。
彼らの指導者達は選挙で選ばれた人たちではありません。そしてネットやテレビ、ラジオ、新聞の情報はかなり偏っており、しかも統制されています。だからこそ、来日したときはナマの日本をよく見てもらい、母国で得た情報とのギャップをよく考えて欲しいと思っています。そうすることが、中国で民度を上げ、かつ異常な政治体制を変えることに繋がるのだと思います。
私が知る限り、国際間の争いは、互いに知らないことが多いことで発生しています。信じがたいことですが、イスラエル市民たちは周囲のイスラム教国家のことをほとんど知りません。(敵性民族だ、という以外は)日本人と韓国人の理解度以下です。やはりナマで会って互いの国を見聞するのが一番でしょう。もちろん、それでも理解し合えない部分があればそれもまた良し。知って理解できなければそれが本当の問題という奴です。私も韓国に行ったことはありませんが、実際に行けばもしかしたら「韓国政府と韓流ドラマは嫌いだが、韓国料理はなかなかうまい」程度には思うかも知れません。この程度でもいいんです。生の情報ですから。
だからネットは本当に怖い。例えば私が知っているロシアとネットやテレビのロシアはかなり違う。私が知っているアメリカですら、ネットやテレビのアメリカとはかけ離れている部分が多い。ステレオタイプです。ネットの発達でややマシになってきたのかも知れませんが、本当によく調べても、結局は生の情報ではないですから。寿司のおいしさがネットでは分からないのと同じ事。ネットでは味や寒暖は分かる訳がないと高をくくっていれば、多少は正気を保てると思います。
こういう御時世だから、中国人研修生達にはいつも以上に色々見てもらおうと思います。攻めの姿勢で臨む所存です。よく考えてみれば日本は大きな和の国、大和の国なのですから。
平成二十四年長月二十一日
不動庵 碧洲齋