不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

護身術と護心術

武道や格闘技を習って護身術にしようという考えがあります。
私の体感ですが、多くの格闘技家、武道家の方でちょっと学んだ程度で護身術として使えると思っている人は少ないように思いますが、一般の方の中には最小限の費用と期間、努力で使えるようになりたいと切望するものです。


武道に限った話ではなく、なにかを「ちょっと嗜んだ」程度でそれが実用に耐えうると言うのは少々甘い考えと言わざるを得ません。数年習ったからと言って襲ってきた相手を撃退できるほどの技量を持てる人はごく僅かです。
それじゃ習っても意味が無いかというとそうでもなく。

 

例えば女性を襲う男がいたとします。
襲う側は大抵、幾つかの前提を当たり前としていることがほとんどです。前提というかそう決め掛かっている、固定観念、先入観を持っています。
1.相手は武道や格闘の心得がない。
2.相手は自分の威圧に萎縮、恐怖して、言いなりになる。
3.相手は女だから体力はない。
などなど。実際、男が女性を襲う場合は大抵この通りではあるのですが、例えばここで女性にある程度の武道の心得があったとします。相手を制圧できるほどではないとしても、恐怖せず、萎縮せず、それなりに体力がある。相手の思い込みと自分の心境+体力のギャップ、この僅かな隙間に活路を見出すことができます。

 

一番賢いのは逃げること。普段から少しでもジョギングなどしていればある程度は逃走が可能です。マンガやドラマでは犯罪者はムキムキですが、現実にはそういう犯罪者は割と少ないものです。また、心に余裕があれば周囲に助けを求めたり、相手が襲撃を諦めるような状況作り(大声を上げたり、催涙スプレーの使用)も可能です。

 

肉体的に犯罪者と渡り合うのは、長年武道を習っている者でもなかなか難しいものですが、緊急事態でもある程度心を動揺させないようにしたり、落ち着かせたりという意味ではそれ程長く習っていない武道でも十分に有効ではないでしょうか。
そういう意味では護身術の前に護心術ありきと思えば、身を守る為に武道を学んでも十分に役立つはずです。

 

令和参年臘月十六日
武神館 不動庵道場
不動庵 碧洲齋

f:id:fudoan_hekiganroku:20211216151632j:plain

《お知らせ》

武神館 不動庵道場 開庵
【日時】2022年1月8日土曜日、13:00-15:00
【場所】谷塚上町会館:草加市谷塚上町231-1
【アクセス】東武スカイツリー線 竹ノ塚駅西口
東武バス 竹04/竹05にて約10分、又は竹06にて約15分。
バス停「谷塚上町」降りてすぐ。
駐車場あり。
入門希望者・興味ある方はご連絡ください。