不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

断じて行えば

「断じて行えば鬼神もこれを避く」
これは中国春秋戦国時代でよく使われた諺です。
諸子百家の書物や史書によく出てきます。
一大憤志を以て決死の覚悟で行えば、鬼神すらそれを恐れて妨害しようとは思わなくなるという意味のようです。
当時流行した諺だったようです。

私はあまり「断じて行う」タイプではありません、正直に言うと(笑)
意志が強くないのです、いえ、本当です。
ただここ一番という状況に追い込まれると粘るように思います。
あまりカッコよくないですね。
なので一大決心をして事を成したいと思うときは、あまり「一大決心」をしないように心掛けます。
例えばさりげなく習慣化して、あるいは常態化していつのまにか行えるようにするとか。
さらにそれをする必要性や合理性などがあると更に良し。
そんな風にしてきたことが多いように思います。

なので昔から「一大決心」をして「実行に移し」て「それが継続」する人は羨ましかった。
私は鉄のような意志がなかなか持てません。
ただ興味があることや関心があることは細々と粘り強く続ける傾向があります。
この自分の性格を上手く利用して、密かに決断したことをそれに任せます。

私はあまり精神論や根性論を信じないたちです。
自分が決意したことはなるべく合理的に解釈して、効率的に実行し継続するよう心掛けています。
今更ながら若い頃なら根性を見せられたのかも知れませんが、さすがに今はなるべく無理せずを求めてしまいます。
少しは無理をしないとならない場合にだけ胆力を見せる、そのようなスタンスでいます。

自分の人生ではありますが、強い意志がある人はもっと自由闊達に生きられるのだろうと羨ましく思います(笑)

令和六年弥生十一日
不動庵 碧洲齋