不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

四国遍路二十六日目

2025年3月30日

移動距離:29.73km

累積移動距離:655.69km

札所:なし

 

昨日は7時過ぎに宿を出て一路この宿を目指した。ちょうど足摺半島を一周するようなルートのため、途中からは同じ道をたどって3日前に宿泊した宿のすぐそばまで戻り、そこから一路北に進路を取った。はじめのうちはこれから足摺半島に向かうお遍路さんと数人すれ違った。そのうち一人のシニアのお遍路さんとは且く話した。彼は一日の移動距離を35-40キロを見積もっていて疲労困憊の様子だった。私も最初はそう見積もっていたが、かなりゆとりを持たせ25kmを基本として正解だった。これから向かう先は山間部高原なので高度が上がるはずだったが、結局ずっと川に沿った林道だったため、ほぼ平坦なアップダウンがほぼない道で大変楽だった。また、4時間近く歩いていても通った車は4台程度だった。ただしこの宿がある地域にさしかかるまで人家が全くなく、自販機もないので注意が必要。ただし昨日は気温が低く歩くにはちょうどよい気温で途中山水を補給できるポイントはいくつかあった。時期的に桜が満開で大変素晴らしかった。

宿は「くろうさぎ」。農家が経営しているが、設備が今までの中で一番良いかもしれない。家の敷地に二棟離れのように増設された建物が客室で、各8畳部屋が2つずつある。トイレと風呂は共有だが風呂は広いユニットバス、共有スペースにはフットマッサージャーがあったが、これは遍路をしていて宿にあるのは初めて見た。建物自体はたぶん作られて間もないと思う。

食事は肉料理主体でいかにも山間部らしく大変おいしかった。海鮮料理も大変おいしいのだが突き詰めるとだいたい似通ったものになりがちだ、そういうことで昨日の夕食はおいしくいただいた。食事時にまたベテランと勘違いされた(笑) 先達さんですか、って言われたがそんなわけないだろう。また、珍しく支払いがカードでできた。カードが利用できた宿は今までたぶん5軒程度だったと記憶している。これは是非、遍路宿で推進してほしい。

山間部ゆえに夕刻から(今朝も)大変寒い。出立時は久々に厚着をせねばなるまい。

本日は39番札所に行く予定である。

また昨日までの累積移動距離655.69kmを以てこの四国遍路の概ね半分の距離を歩いたことになる。我ながら信じがたいが、やっとここまで来たか、と感慨深く。また、明日の投宿を以て高知県を離れて愛媛県に入る。


令和七年弥生三十一日

不動庵 碧洲齋


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大岐の浜


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色合いが異なる桜が咲いていた


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しばらく進むと細い林道になった


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下が浅い貯水槽になっていてその上に土壁の建物が建てられていたが、用途が分からなかった


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宿の手前の川


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山羊がいた(笑) 観光用らしい。かなり人なつこい。


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宿、ここは食堂で、ここはオーナーの家を増築したらしい


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神アイテム、なんで他の宿にないのだろう