不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

壮麗な宮殿に名君は居ず

昨日は久し振りに禅友たちと会って食事をするために新宿方面に出ました。
西新宿方面、甲州街道沿いにあるウイグル料理店が集合場所でした。
私は他に用事があったので都営大江戸線の都庁前から歩いたのですが、夕日に映える東京都庁の壮麗なこと、しばし感嘆してから都庁と新宿公園の間を通る道路を歩いていたのですが・・・都庁から新宿公園に延びる歩行者用歩道橋の下には路上生活者のテントが幾つも並んでいました。路上生活者の方々も迷惑にならないようにと季節柄増え始めた落ち葉をホウキで集めたりしていました。路上はゴミひとつ落ちていない、大変きれいな状態でした。そうでもしていないと追い払われるからでしょうか。

新宿公園の子供広場では親子連れが大勢来ていて、子供たちの楽しげな声が周囲に響いていました。
方や壮麗で巨大な建造物である東京都庁、方や幸せそうな子供連れ家族がいる公園、その谷間のような道路の脇でひっそり暮らす路上生活者たち。何と言ったらよいのでしょうか、失望感というのか何と言うのか。

都政ではありませんが、最近国家公務員の給料賃上げが可決されましたが、こういうのを見ると民主主義政治というのも結構民が主だったことはなく、やはり一部の権力者たちが好き勝手にやっているのかなと思った次第。
ロシアや中国よりは多分幾らかマシな国だとは思います。ただ幾らかマシというのは明らかに優位を誇れるレベルかどうかと言われると微妙です。中国のことはよく分かりませんが、ロシアに関して言えば戦争前ですが、普通に生活する分には別段不自由は感じなかったように思います。多少の汚職や政治の理不尽さに目をつぶれば(笑) 日本も社会の理不尽さに目をつぶる人が多いのといくらも変わらない気がします。

路上生活者の中には自己責任でそのようになったという方もいると思いますが、私は性善説を信じたい方なので基本、路上生活者にはできるだけ手を差し伸べるべきだと思いますし、都庁の真下にそういう方々がいることに都庁に勤められている方々はどこまで認識しているのか疑問を感じます。

とりとめのないことばかり書いて何か結論があるわけではありませんが、昨日は久々に都内に出て世の不条理を感じた次第です。

路上生活者から見える都庁の偉容、空しさを感じます

令和五年霜月二十日
不動庵 碧洲齋