不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

モスクワの地下鉄

ミもフタもないタイトルですが、その通りです。 モスクワという都市は実はかなり巨大で、面積は2,511km2(東京都は2,189km2)、人口は11,503,501人(東京都は13,269,061人)と、市のくせに、我が国の首都に匹敵する規模を誇ります。言うまでもなく欧州最大のメガシティです。 しかしモスクワを見てみると、意外に自然は豊かだし、そんなに人口が多くも感じません。人口密度は10,544人/km²に対して東京は6,060人/km²、東京の倍近いのですが、モスクワの方がよほどゆったりしています。多分、市内にほどよく分散して住んでいることと、ものすごく巨大なアパートがあちこちに林立しているので、土地は空いているのかも知れません。東京だって多摩地方はがらがらですよね。 元共産党国家の首都だけあって、それに恥じぬ交通網があります。タクシー、乗り合いバス、バス、トロリーバス、トラム、鉄道、地下鉄など、街のあちこちで見ることができ、中心地から離れたところに住む高齢者でも割に容易に移動が可能です。まあ、乗り物の多くは結構古びていたりはしてますけど。 今回ご紹介するのは地下鉄です。 まず言っておきますが、世界に日本の地下鉄以上に優れたところはあまりなく、日本と比較することはあまり意味がないと言っておきます(笑)。 モスクワの地下鉄と言えばまず「大深度」で「壮麗」の二つに付きます。 日本では都営新宿線などが比較的深いようですが、モスクワの地下鉄、特に古いものはとても深いところにあります。 これは彼の冷戦時代、核シェルターの役割も兼ねているからです。今は撤去されているところも多いようですが、巨大な鉄のドアのガイドレールなどが残っていたりします。
画像
言うまでもなく上下の移動はエスカレーターになります。距離が短いと階段もあります。エレベーターはあったのでしょうか。見なかったと思います。それにしてもこの地下鉄、できたときからエレベーターがあったって事ですよね?とても徒歩では昇降できそうにありません。ただししょっちゅう1ライン程度は壊れています。また、安心なのは長いエスカレーター乗り場の下には監視所があって、怖そうなオバサンが監視室に入っています。確かにこんな高いところから墜ちたら速攻助けがいるでしょう。
画像
そして結構入り組んでいます。特に中心部分にある駅の連絡通路は複雑な場合もあります。但し日本と同じく各路線には色が付いていて、それが分かっていればそんなに迷うことはないとは思います。(偶然にも、今回多用した路線は、私が日本でも多用している日比谷線と同じ灰色でした・笑) 一方で困ることも。基本表示は全部ロシア語です。駅の表示もアナウンスも全部ロシア語。ちなみにサンクトペテルブルグはさすがに有名な観光都市だけあって街の至る所に英語表記もあり、地下鉄の駅名や重要なポイントは英文表示があります。
画像
これは”ボロヴィスカヤ”って書いてあると思います。 アナウンスは日本と同じく、上りと下りで性別が異なり、上り、つまり中心地に向かう方は男性で、離れる方は女性です。東京では逆ですね。 車両は2/3ぐらいは大変ぼろいです。エアコンなしなので、窓を開けてますが当然かなりやかましく、会話などできるものではありません。車内では皆お行儀はよい人が多いですが、時々違法に物品販売をする若者もいます。物乞いもいますが、どういう訳か大抵、小綺麗にしているおばあちゃんかおじいちゃん。当然そういう場合はあげたくなります。 車内では大抵、老人や障害者に優先的に席が譲られます。残念ですが、この点では日本の方がカンペキに負けてる気がします。車内での読書の割合。今回は色々な路線を使いました。前回行ったほどの割合ではありませんでしたが、それでも昨今の日本人よりはよほど読んでますな。 ロシアの地下鉄と言えば、駅の豪華さがよく知られていますね。確かに豪華、壮麗です。駅如きにそんな装飾が必要なのかという疑問はありますが、個人的な感想で言えば、日本の駅に多い無機質的なデザインよりはよほどいい気がします。予算の関係で皆古びていますが、その古さがまた何ともたまらない。言うまでもなく日本の駅よりも薄暗いのですが、本来地下鉄はこのくらいであるべきです。但しごく最近作られた駅などは日本とほとんど変わらず、無機質なものが多いように思います。
画像
画像
ロシア人の性格なのか、アメリカ人みたいにあっちゃこっちゃでいちゃいちゃしてません。人前でも憚らずキスをしていたのは1.2組を見かけただけです。恥ずかしがり屋なのかも。あまりきてれつな格好をする人も希で、皆常識的な格好が多いようでした。ただしやはり日本のように乗車の時に列を作ることはありません。それでも我先に乗車という非常識な人もいません。ちゃんと降りる客が優先です。
画像
それとセキュリティのためか、バッグに特徴があります。男性でも女性でも斜交いにバッグをかけている人が多く、日本のようにデイパックを利用している人は希でした。しかしよく考えたら利用者が多い場合は確かにデイパックは他の人にも迷惑ですよね。
画像
モスクワの地下鉄の利用者数は世界一の量を誇る日本の地下鉄に続く世界第2位となっています。確かにそのぐらいはありそうです。
画像
ちなみに利用の際には厚紙製の回数券を買います。1.2回分であれば自動券売機で、それ以上の回数はチケット売り場で。日本のように定期もあります。自動券売機は息子がケタケタ笑ってしまったぐらい根性を入れないとコインを受け付けてくれなかったり、券が出てきませんでした(笑)
画像
これが回数券。外観では何回分か分かりません。地下鉄は均一料金になっています。 平成二十五年葉月二十一日