不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

戦争の耐性

今更ながら言う事ではありませんが、日本では71年も戦争がありませんでした。

そして戦地に行った戦争体験者の年齢は90歳に手が届きます。

つまり国民の8割とか9割は戦地体験がありません。「戦争とはどういうものか」という場合、いつの頃か物心ついて間もない人の戦災体験などが主なものになってきました。

そして恐るべきはこの71年間、一応戦争で死んだ人は全くいないという事です。日本は先進国です。同じ敗戦国のドイツですら、国連の活動や作戦で軍人や警察官を危険地帯に送り込んでそれなりに亡くなっている方がいます。

そういう意味では日本人には戦争の耐性がほぼ全くないと言えるのかもしれません。

留学中、湾岸戦争が起きました。戦死した兵士の無言の帰還を見ました。葬列を見たときは少なからぬショックでした。

当流の同門は外国人が大変多く、今なお世界に在る戦地から帰国がてらに日本に立ち寄って稽古をするという猛者もいます。

ドイツ人同門にシリアだったかアフガニスタンだったか、危険地帯で警察活動をしていた者がいたのですが、彼は胸の上部を撃たれて負傷、退役しました。銃創を見せてもらいましたが、ケンシロウの七つの傷の一つのような感じでした。あと中心に4.5センチ寄っていたら脊髄が損傷して後遺症が残ったと思います。

日本では地震がよく起きるので、そういう意味では備えがあるとか気持ち的にそういう心構えはあると思います。そして島国ですから突然攻め込まれることはまずありません。しかしながら時代が時代故、ミサイルが撃ち込まれます。平時より日本は大枚を払って高価な軍事兵器を作ったり米国から購入はしていますが、国土全てはカバーできません。人口密度が高いところに矢継ぎ早に打たれたら多分幾つかは落ちて死人が出ます。核兵器とか化学兵器でもない限りは地震と違ってかなり局地的でしょうけど。

打った側はどんな国であってもかなり厳しい国際的な制裁が加えられます。なにせ日本に対して打ってくるなど、文字通り正気の沙汰ではありませんから。打つ場合は多分、亡国覚悟でしょうか。

あくまで私の体感ですが、日本は今、戦後最大に戦争に巻き込まれる非常事態にあるように思います。実際、起きる可能性はメディアで煽っているほどには高くはないと思いますが。本当にミサイルを日本と言わず他の国に打った場合、これはもう自殺行為です。ただし今回は北朝鮮側が金正恩、米国がトランプ大統領と、ちょっと予想が付きません。北朝鮮が核実験もミサイル発射も行わなければ何もないと思いますが、核実験があった場合はほぼイコール戦端が開かれると考えて間違いないでしょう。そして米国が反撃、迎撃することは中国ですら黙認するようです。米軍が上陸作戦をしなくても基本的に北朝鮮はその場で終焉を迎えるものと想像します。米軍の攻撃で生きていても側近などに殺されるか反乱を起こされる可能性がかなり高く、もはや生きていても死んでいてもあまり関係ないのかも知れません。

そのあとは中国VS米国でしょうか。ロシアは中国は好きではありませんが、米国のライバルではありたいと思っているようです。ロシアというかプーチン大統領が、ですが。残念ですが、今のロシアの経済活動規模は日本の数分の一、米国とまともに渡り合えるとは思いませんし、今や自由を満喫しているロシア人がそうそうまた冷戦状態のようにアメリカと対峙したいなどと考えていないと思います。その中国も今年がバブル元年と言われているように経済が思わしくありません。こういう国際的に複雑に絡み合った経済なので、一部の希望的観測のような中国経済崩壊というのも考えにくいですが、ゆっくりと崩壊することは十分にあり得ます。中国の場合は軍閥がモノを言うので国家が分裂状態になって内紛状態になります。それを避けようとして国外に脱出する人も多いでしょう。助けないわけにはいきませんが本当に困ったものです。多くの難民が避難先の国で問題なく過ごしたという話しは聞きません。しかも避難してくる国と交戦状態になる国は三つとも世界で三つしかない公式反日国家ですから余計にたちが悪い。

韓国は今のその状態で乞食とそう変わらない北朝鮮人民、韓国の0.5倍もの人口を養っていかねばなりません。経済的にかなり後退するでしょうし、そもそも経済以前にあそこまで変貌してしまった同族の精神構造を矯正するために多くの労力を割かねばならないと思います。

ここしばらくはきな臭い状況が続きますが、少なくとも日本の安全だけは保全されたいものです。自衛隊駐留米軍に期待すること大です。

平成二十九年卯月二十五日

不動庵 碧洲齋