不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

クリミアについて

今、ウクライナ国クリミア地方のロシア編入で国際社会は大きく揺れています。

現在、植民地などと言うものがほとんどない地球上において、国の領土の増減という問題は非常に大きな、かつ繊細な問題です。

日本は西側ですから、ロシアに対してやや不利な情報、西側陣営には有利な情報が多く入ってきます。日本にいると、どうしてもロシア=悪という図式になりがちだと思っていたのですが、今朝からヤフーコメントを読んでみると意外にも旧西側陣営の対応の方に批判が多く、少々感心しました。

ウクライナはCIS(独立国家共同体旧ソ連圏の中ではなかなかの優等生で、経済状況は上り坂ではありますが、それでも現在の経済規模は日本の福岡県と同じぐらいのようです。経済的に発展しているのは資源があるためで、その資源はロシアに買われています。ちなみにウクライナはCISに正式批准していないので非公式参加となっています。

ウクライナが世界的に有名になったのはかのチェルノブイリ原発事故。未だに多くの人々が被害に苦しんでいるそうです。

今回、ウクライナのクリミア地方がロシアに編入を希望しているとのことですが、クリミア地方は黒海に突き出たほとんど独立した島のような半島です。クリミアはウクライナにありながら、自治共和国としていたようなので、ただの一地方が帰属を求めたのではなく、元々半分近くはロシア人で、その他にもロシア語を多く話す自治共和国の人々がロシアへの帰属を希望したという事になります。そういうニュースは日本ではあまり聞かないような気がします。

西側の人たちはロシアを悪人に仕立てようとする見方が強いように感じますが、西側の資本主義社会は熾烈です。生き馬の目をくりぬくが如く、強い資本がどんどん押入り、自社、自国に有利な方向で市場の切り取り自由という社会を確立します。それが良い場合もあります。しかし例えば私のロシアの友人は未だに、私に大統領選挙に行く意義はあるのだろうかなどと聞いてくる始末。まだ社会的な自由とか資本主義に十分になじんでおらず、ましてや旧東側陣営の社会は十分西側に対抗できるとは思いません。ま、ウクライナ国民よりロシア国民の方が何か享受できる社会福利やステータスが大きいとも思ったのでしょうか。その辺りは住民ではないので分かりませんが。

失礼な言い方で恐縮ですが、旧西側諸国の言うとおりにすることは、ハイエナの前に子犬を差し出すようなものです。ロシアのウクライナに対する対応が良いとは思いませんが、西洋諸国よりはまだマシだというのが、今回のクリミア地方の方々の結論なのでしょう。正直欧米人にはそういう弱肉強食面を紳士コートの下に隠すようなところが確かにあります。

プーチン大統領のやり方はいささか強引で、実はロシア国内からもあまり評判はよくありません。しかし日本人はあまり知らないでしょうけど、今ヨーロッパで一番右肩上がりの都市はモスクワです。ロシアはとても経済状況が隆盛しています。ソ連時代とは全く違うと言って良いほど。だから外から眺めるに、今の豊かなロシアを作り上げたのはやはりプーチン大統領の功績が極めて大です。(・・・と、よくロシア人の友人に説教します・苦笑)

ソ連解体後、資本主義社会に放り込まれて、苦しい時代もありましたがここにたどり着けたのはやはりプーチン大統領の手腕でしょう。日本では許されない強硬な手段故にある意味うらやましくもあります。

どちらが正しいというものではありませんが、時代が時代だけに少々長引く問題ではなかろうかと思います。とはいえクリミアの人たちが一番幸せに思う選択肢を選んで欲しいですね。

昨年覧た、トムクルーズ主演の映画「オブリビオン」に出てきたヒロイン、ジュリア・ルサコーヴァ演じるオルガ・キュリレンコ嬢はウクライナ人。お父さんはウクライナ人でお母さんはロシア人。ボンドガールも演じたことがありますよ。東欧には私好みの美女が多いので、あまり平和をかき乱して欲しくないなぁ(笑)。

オルガ・キュリレンコ嬢ですっ!

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平成二十六年弥生十八日

不動庵 碧洲齋