不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ぞうさん

昨日のブログの続きです・・・

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アート引越センターのCMだったでしょうか、幼稚園ぐらいの女の子が「キリンさんは好きです、でもゾウさんはもっと好きです!」と電話で話しているCMがありました。あんな可愛い娘が自分の娘だったら、箱入り娘どころか、ルナチタニウム合金箱入り娘にしてしまいそうです。ましてや変な男が(変でなくとも)娘に手を出そうものなら多分、地獄に逃げ出したくなるくらい(爆)後悔するはめになるでしょう。神様はそれを察して息子にしたのでしょう(笑)。

*ルナチタニウム合金とは「ガンダム」の装甲に使われている架空のメチャクチャ硬い合金です(笑)

あ、象の話しです。

「現象」とか「対象」とか、ゾウさんとは全く関係ないところでゾウさんの漢字が使われています。理由はご存じですか?

古代中国、紀元前1600年ぐらい前、殷の時代ぐらいまでは中国にもゾウがいたそうです。

しかし気候の変動で、次の王朝、殷(商)になったころにはいなくなってしまったとか。

それで、村の長老が先祖代々伝わる、大昔その辺りにいた、大きな生き物の話しをするとき、聞いていた人たちは心の中でその動物の形を思い描いていたことが「象」を転用した始まりなのだそうです。

余談ですが、「龍」なんていうのも、たまたま見つけた恐竜の化石を見て、当時の人が象と同じく想像したのでしょう。

今回はもう一つのゾウさんの話しです。

象が変形した漢字に「為」があります。旧字体の「爲」は「手」と「象」が合体したものです。意味としては「なす」で、最初は大きな象を上手に手なずけることからきたそうです。それが転じてうまく仕上げる、オリジナルのものに手を加えて、違うものにするの意味になったとか。なかなか興味深いのはその漢字に更ににんべんを加えると・・・「偽」ウソ、イツワリ、ニセモノを意味します。そもそも「為」の方こそ本来の意味「ウソ、イツワリ、ニセモノ」が含まれているはずなのですが、「為」が広義で使われるようになったために「偽」が造語されたのだとか。

つまり、本来人の行為は原初の形を壊し、都合のよいように形を変え本来の姿を隠してしまうイツワリということでしょうか。昨日のブログでも「誰々の為」「何々の為」などとうそぶいている人には偽善性を感じることがあります、と書きましたが、本来、何かのため、誰かのためを思うのであれば、黙って実行、これあるのみです。

「象」さんのままだったら愛嬌があります。「為」になると胡散臭くなります。「偽」まできたら、確信犯です。

ゾウつながりでふと思った次第です。

平成二十四年師走四日

不動庵 碧洲齋