不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

正義とその方法

昨日は息子の中学校の懇談会と英会話教室三者面談とあり、なかなか忙しい一日でした。

英会話教室の面談は授業が終わる21時から。成績に関しては教室内では一番よいらしいので、その後の進路について話したのですが、その帰路のこと。

自宅と中学校からほど近いコンビニに立ち寄ったとき、いつになく駐車場にゴミが散乱していたので驚きました。で、もっと驚いたのは駐車場に転がっていた中学校指定のスポーツバッグ。コンビニと言っても大きな国道の脇、しかも商品搬入が行われている真っ最中で人も多く。

息子と顔を合わせると「ああ、あいつらだ」と言いました。学校でも問題になっている2年生の不良グループ、私も数回目撃したことがあります。

買い物をしてから出てくるとその不良グループたちはコンビニの裏手からなんと煙草をくわえたまま出てきました。一瞬注意しようと思ったのですが、息子がいたため思い止まりました。

帰宅後、妻にこのことを話すと、近所の人が通報したばかりに彼らの逆襲に遭って警察沙汰になったとか。不良グループのひとりは少年院帰りのツワモノだとか。だから決して直接注意してはだめだと妻に言われました。(学校からそのような要請があったらしい)実はうちは中学校の正門から見える位置にあり、言うまでもなく中学生がうちの前を大勢通ります。私が中学生だったときも一度窓ガラスを割られた事がありました。まあ、その時は先生の力は絶大だったので事なきを得ましたが。

我ながら全く情けないと打ちひしがれて沈黙していると、それを察したのか、息子は「あんな悪い奴らでも、1人ひとりになると寂しい連中なんだよ。1人になるとみんな弱いんだ。弱すぎて寂しすぎるからつるんでいるのかな」と言いました。恥ずかしいことに人の親でありながら私は息子ほどの理解とそこまでの慈悲は持てませんでした。

この日は学校で担任から、息子は他人から話しかけられやすい、惹き付ける魅力があるとお褒めの言葉を賜ったばかり。日頃正義の何たるかをエラそうに言っている自分が何もできないとは本気で情けなく思いましたが、映画のようにその場でカッコよく注意してキメられるはずもなく。息子自身も私がその場で彼らを制圧できないとは思ってはいませんが、要は言っても効果なく逆襲に遭うだけだと言うこと。世知辛い世の中だと嘆息せずにはいられませんでした。

もちろんその後、学校宛にメールだけはしておきました。コンビニの営業に迷惑を掛けているのは間違いありませんから。

学校でも英会話学校でも息子がほめられて本来は気分がいいはずなのですが、昨夜は本当に久し振りに嫌な気分でした。

平成二十八年師走九日

不動庵 碧洲齋