不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

華商-Chinese Business

見ました見ました。コピー製品専門店というヤツを。山寨(シャンジャイ)ショップというヤツです。

帰国前日の午後、早めに仕事を切り上げて観光をさせてもらいました。豫園という庭園です。個人的には何としてもお寺に行きたかったのですが、なにせ時間が半日しかなく、夜は夜で予定があったためやむなく一番有名な観光名所に落ち着きました。この豫園、日本で言うとさしずめ浅草でしょうか。

上海にはほとんど歴史的な香りがする建築物がありません。いや、少しはあるのでしょうが、伝統的な建築物がほとんど見あたらないのです。帰国してからネットで見てみると少しはあるようですが、少なくとも私の滞在中、展示会場への往復、会食の道すがら、ホテルの徒歩30分圏内の東西南北の主要道路には全く見かけませんでした。

この豫園で昼食後、山寨店を見てみようと言うことになり、中国語を話す社員が路上に出ると・・・中年の男がスススッと近寄ってきて、トランプ大の紙(厚紙に近い)をササッと広げ、瞬く間にA4サイズに広げて「お兄さん、社長!これ安いよ、どう?」と日本語で言い寄ってきます。私たち一行は頷きつつその男に付いていきます。

ここで戦闘モードオン!ベルトの背中に差した鉄扇を抜きやすくして小型ナイフをポケットの中で確認。

1 階が店になっているアパート棟のボロい店の脇を通り、人がやっと1人通れる通路を進み、「曹」と書かれたごく普通のドアがあり(普通の家屋には表札など付いていないのでちょっと不思議)、そこを開けるとオドロキ。こじんまりした、しかし外側とは似ても似つかないきれいな内装になっていました。四方の壁には山寨品がズラリと陳列しています。客は私だけではなく後から数人ずつ入ってきます。若い女性もいました。勿論私は買いませんでしたが、誰も買わずに出るのはちょっとヤバい感じがしたので、雰囲気を察した同僚が一つ買って出ました。

売っている人たちは何と言うのかな・・・ちょっとバカっぽい言い方ですが、魂が浄化されていないような人たちなんですよね。瞳が濁っている。それでいて無邪気な部分がある。無知と言い換えてもいいのかもしれない。

ん~なるほど、あんなところで売っているんですな。でも中国語ができない場合は止めた方がいいでしょう。原則、山寨品は買っても売っても罪になるそうです。

その後、1時間ちょっとですが自由行動となり、晴れて単独行動になりました。豫園の園内であれば基本、そういう客引きはありません。スリはありますが。店を幾つか覗きました。

一番気に入ったのが石の印鑑。これ日本で彫ったらちょっと高いのですが、ここだと数分の一で買えます。が、そこは中国、どこの土産店でもそのサービスをしており、店員が彫るんですね。素人です。まあざっと見たところ下手ではなさそうです。私は非常に小さい、側面に干支が彫られていたものに私と息子の名前で共有の漢字を彫ってもらいました。その店はちょっとプロっぽい人がいたところ。店員も英語ができたので助かりました。

で、次は陶器店。茶道具が売っています。中年のオーナーとおぼしき隣にいた中学生ぐらいでなかなかの美少女がにこやかに対応してくれました。般若心経が描かれた掌サイズの急須、値段を見ると「750元」は?黙って出ていこうとすると(実はこの時、1元がいくらなのか全く分かりませんでした・爆!)、その娘は結構流暢な英語で必死になって引き留めて「じゃあ半額だったらどうですか?」と商談、英語ができるのであればと私も応対する。「375元でも全然高い」少女はそれならと「230元」私「180元」娘「210元」私「200元」娘「オーケー」(もちろん200元が一体いくらなのか分かりませんでしたが、半額以下と言うことで!)。まあ200元でもずいぶんと儲けたのでしょうけど、アンタの可愛らしさと英語のうまさ、親孝行に免じて買ってやるよ、といったところです。それにしても傍にいたお父さんを助けて店を手伝うのは感心しました。つぶらな瞳をまっすぐに向けて商魂むき出しの様相に「おじさま」は完全に参りましたよ(笑)。それにしても750元が200元とは一体全体どうなっているんだ?

楽器店にも行きました。ありました二胡二胡。私が持っているのと同じ国家規格合格のカードが付いた二胡もありましたが・・・残念ながら私が持っているたかだか高級練習用二胡の方がクオリティー的に全然上でした。ま、土産専門店街などで楽器を買ってはいけませんね。ただしちょっとプロっぽいおじいちゃんが笛を試しに鳴らしていました。とても上手かった。

いい店もありました。石印専門店です。一目見てここはプロの店だなと感じました。ガラスケースの中の商品を見て驚き。実に精緻な彫刻が施されたものもありました。ざっと見常識的な値札が付いていたのにも感心させられました。若い女性が一人、店の奥で客の注文に応じて彫刻をしていました。私はここで「不動庵印」を彫ってもらいました。時間があったら赤字白抜きにしたかったのですが、あいにく時間がなく、簡単にできる方にしました。こういうお店は繁盛して欲しいですね。もちろん常識的な値札とは言え、商談しなくてはなりません。結局180元が100元になりました。彼女は英語も日本語も上手かったです。少々強引な気がしないでもありませんでしたが、私のサイトにリンクして、印をHPで使うと言うことでご勘弁頂きたい。

画像

今度からこれが「不動庵」の印になります

1軒だけゆゆしき違法行為とおぼしきことをしていた店がありました。何を隠そうマクドナルド、展示会仮設店。中は非常に混んでいます。やむを得ません。だから 1種類のセットメニューしかありません。これも仕方ありません。ですがそのセットメニュー、冷えていてマズかったです。一旦温めていたのは分かるのですが、冷たくなっています。で飲み物は氷が完全に溶けています。炭酸も抜けきっています。これってマックのオキテから完璧に外れているんじゃない?世界のマクドナルドともあろうものが、これはちょっとヤバいんじゃないでしょうか。帰国してから日本マクドナルドにですがチクりました。次回が楽しみです。

お店らしいお店に行ったのは1週間でこれだけです。ちょっと困ったのは展示会では欧米人には明らかに私は日本人だと認識されていたのですが(会場ではうちの会社は日本企業とは分かりません)、何故か単独行動しているとほぼ間違いなく中国人に間違えられました(日本人観光客はたくさんいました)。最初の店の店員のお姉さんによると私は何か不思議で独特な雰囲気を持っているのだそうです。確かに山寨店でも私にだけ妙な視線を送っていました。どんな風に不思議なのかちょっと知りたいですね。

SD101129 碧洲齋