不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

華街 - Chinese Town

私が実際に歩いて観察した街は上海と上海から車で2時間弱の近郊にある工業都市です。

私は中国史は好きですが、現代中国通ではありません。

従って私の観察がどこまで正確なのか分かりませんが、自分なりに感じたことを綴ってみたいと思います。

弊社の工場がある上海近郊の街は夜でも比較的安全とのこと。多分、上海よりは犯罪は少ないようです。

安全というのは中国の他の地域に比べて、という意味です。

蛇足ですが、世界で日本より安全なところは少ないので、安全に関しては日本と比較することはあまり意味がありません。

ゴミについて。

日本は世界的に見てもゴミなどがあまり散らかっていない方なので、そもそも中国と比較すること自体間違っています。

意外だったのは、清掃員の数が結構いる割にはゴミが散らかっているなという感じです。

また、当然ながら早朝から清掃しているので朝は日本といくらも違わないくらいきれいになっていますが、夜になるとゴミが目立ってきます。

ゴミ箱はそんなに少なくないのですが、もちろんゴミ箱もきれいではありません。

感心したのはタバコの投げ捨てが少ないこと。中国人はよくたばこを吸うので、吸い殻があちこちに捨てられているのかと思いきや、今は割と厳罰をくらうので、歩きたばこなどは以前よりもぐっと減ったとのこと。いいことです。

正直これは民度というモノサシも当てはまりますが、この国は人が多いのです。清掃をして収入を得ている人が多く、そういう労力を割いても全く問題がないほど人が多いのです。日本のように省力化に神経質になる必要がありません。こういう時は無駄な労力に人が割ける人の多さは便利だと思います。

妻の話ですが、ネパールに行ったとき、ゴミ屑をポケットにしまったら友人に怒られたそうです。理由はゴミを捨てないことによってゴミを拾って生計を立てている人の仕事を奪うからだそうです。

世の中色々なモノサシがあることを知ってほしいと思います。

・・・が、世界のどこでも中国の常識が通用するとは是非とも思わないで欲しいと、中国の皆様には言いたいところですね。

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早朝の上海の交差点、こんな所を車が暴走し、人が赤信号で渡るのです。

早朝に散歩をして気づいたこと。

道路のあちこちにおしっこの跡があります。

木や電柱の根元なら分かるのですが、広い歩道のど真ん中などにも見かけます。

これはどうやってイタしたのでしょうか・・・。

犬にしても人にしても道路の真ん中というのがちょっと解せません。

最初はおしっことは分からなかったのですが、臭いと色で気づきました。

中国では団地やマンション、アパートの棟がまとまって、集合体ごとに壁や柵で仕切られていることが多く、それぞれに名前が付いています。城塞の名残なのだと思います。高級なところからぼろぼろの所まで様々です。それらが街の中でひしめき合っています。ただボロと言っても中国の場合は建築物の寿命が短いので一体どのくらい古いものなのか分かりかねます。上海に関して言えば伝統様式の住宅は全く見あたりませんでした。どれもがそこそこ新しいような感じです。もちろん貧しい人たちもいました。例えば山寨店があったアパートなどは非常にぼろぼろでした。

一方で政府の建物は豪華絢爛です。日本だったら県庁庁舎でもこんな豪華ではないだろうというのが、たかだか市庁舎(日本の市よりも小さいようです)で使われています。驚きました。

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上海郊外の街、ここに弊社の工場があります。朝は比較的きれいです。

運転手のほとんどがすぐにクラクションを鳴らすので、町中が常にうるさい状態です。その代わり電気スクーターが流行っているので、その分の音は低くなっているはずです。ヘルメットはかぶっている人もいましたが、かぶっていない人の方が多かったように思います。一応道路交通法ではかぶることになっているそうです。庶民は交通ルールを守らないので、赤でも車が来なければ信号は無視します。ちゃんと守っていた私がバカみたいでした。

子供たちの服装は非常によいもののようでした。日本の子供とセンスにしても質にしても大差はなさそうです。学校に送っている両親の服装がいささかくたびれていても、子供たちの服装は概してきれいでした。一人っ子政策のためでしょう。

弊社工場がある町では2泊したのですが、ホテルで困ったこと。

2泊目、疲れ切って眠りに落ちる直前、誰かがドアをノックしました。同僚だと思い、眠い眼をこすりつつドアを開けました。この時はさすがに無防備になってしまうほどに寝ぼけていました。ドアの前に立っていたのは若い女性。中国語でにこやかに何か言っていますが全く分かりません。身振りからすると中に入れてくれないかというようなことだったかもしれません。しかし私は翌日早いので丁寧に断ってベッドに戻り再度寝ようと試みました。そこで初めて何でノックしてきたのだろうと思いました。最初は部屋を間違ったのかなとも思いましたが、部屋はカードキーです。間違えるはずがありません。今度はベルが鳴りました。覗き孔から見ると別の女性がいました。注意して開けると、ちょっと色っぽい女性がいました。今度は英語で「友達がここの部屋に来てって電話で連絡してくれたの・・・入ってもいい?」とにこやかに言ったのを見て、ようやく事態を飲み込めました。私は「俺は知らん、帰れ」と言ってドアを閉めました。この町では1.2を競うホテルです。基本的に客以外は立ち入り禁止です。そしてバスルームにあった、ラブホテル並のアイテムを思い出しました。何で高級ホテルなのにこんなものがあるんだ?という感じです。多分このホテルはこの売春婦たちからマージンをもらって入館を許可していたのだと思います。言いたくありませんが、さすがに中国、儲けるためには何でもするようです。少々怒りが沸いてきました。中国では今、エイズが非常に拡散しているとか。気を付けよう、甘い言葉といい女。

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これがホテル備え付けの夜のアイテム、ちなみに4ツ星ホテルです。

道路を行き交う人々について。

若い人はおしゃれな人が多いように思いました。若くてもおしゃれではない人は出稼ぎの人なのだろうと思います。貧富の差ははっきりと出ています。これほどはっきり眼に見えたのは他にはあまり経験がありません。

ちょっと怖いと感じたこと。

私は上海の比較的良いところにあるホテルに4日ほど滞在して、3日ほどは早朝に起きて東西南北を片道30分を費やして歩きました。

全く見あたらなかった店がありました。

それは書店・・・。

雑誌のスタンドはありましたが、普通の書店は全く見あたらなかったと思います。

これは文化革命の名残なのかも知れませんし、中国国民の民度なのかも知れませんが、とにかく書店の数で文明化の高低を言うなら中国は未だ発展途上と言わざるを得ません。ちなみに同じ共産圏でも露国には書店は普通にありました。

SD101129 碧洲齋