不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

今朝見た、強烈な夢・・・

45年生きていて初めて、夢の中に畏れ多くも「天皇陛下」がお出ましになりました。

いや、朝起きてしばらくドキドキしたまま。

妙にリアルで、高貴な人が付けているお香の残り香までまだ漂っているような感じ。

どんな夢だったのかというと・・・

なにやら山奥のお寺か神社。先日行った秩父の大陽寺のような場所。

ただしすでに廃寺になっていたようで、無人です。

周囲は緑の山かと思いきや、結構土が露出している、やや荒廃した感じ。

その境内の入口に私が立っていました。

と言っても山門などもなく。お堂か建物は山か何か、崖に寄り添うように建てられているだけです。

そこにさっそうとテレビでよく見る皇室のお召しリムジンが1台だけでやってきて、私の前に止まると、まず助手席から黒い礼服を着た侍従長のような老人が出てきて、後ろのドアを開けました。

出てきたのが今上陛下。これまた何故か黒の礼服

どういうわけか私はそんなに驚くでもなく、普通に深々とお辞儀をして、多分

「ようこそいらっしゃいました。」

とか、そんなことを言った気がする。でももちろん、全然知らないお寺(ないし神社)です。

侍従長さんはそのリムジンのところでお辞儀をしていましたから、「いってらっしゃいませ」という意味なのだろうか、歩き出しても付いて来る様子は無し。取りあえず陛下に随伴しているのは私だけ。

陛下はかなりご高齢のはずなのに、武芸をかじっている自分ですらため息をつくような滑らかな歩き方であることに気付きました。古い木造の階段を上るときですら、微かな音しかしません。

中は埃っぽかったり暗かったり、少しものが散乱している中を、陛下は恐ろしいくらいに自然体で何の遅滞もなくしずしずと歩いていました。

建物の中は少し荒れていて、本堂らしいところを通り過ぎ、庫裏らしきところに入ると、廊下がありました。左側が崖がむき出しになっているところに大きな洞窟があり、真っ暗。ライトを照らしても届かないほど。しかも傾斜していて廊下から踏み外したら結構危険な感じ。

右側はごく普通の昭和の木造建物で、荒廃した台所や東司(トイレ)が立ち並んでいます。

陛下は何故か荒れた台所に入り、中をしげしげ眺めていました。

さすがに何かあったら本当にまずいと私もうろたえて、控えめに尋ねました。

「陛下、警護の方たちは一緒には来ていただけないのでしょうか?」

陛下は私を見て微笑みながらおっしゃいました。

「心の中にやましいものや後ろめたいものを持つ人ほど、そういう者たちを多く擁するものです。」

あのテレビで耳にする陛下のお声そのもの。

その言葉に何かがんと殴られたような衝撃を受けた直後、台所を出てすぐ右突き当たりにあった、階下(地下?)に通じる階段から誰かが上ってくるのが分かり、陛下の前に立ち塞がりました。

上がってきたのは髪の長い若い女性で、白いセーターに白いスカートを身につけていました。美人ですがもちろん、異様な雰囲気。その時は絶体絶命感でいっぱいいっぱい。

その女性は私の手が届きそうなくらいの場所で立ち止まり、一瞬暗闇のような影に変化したと思いきや、次の瞬間、醜悪な赤黒い鬼に変わりました。まるで特殊効果のようでした。

どういう訳か私にはその変化に対する恐怖は無く、すぐに手を合わせて「不動真言」を静かに唱え始めました。いつの間にか数珠も握っていました。何と言う数珠なのか、とてもきれいな色をしていたのをよく覚えています。色はよく分かりませんが、その数珠玉の冷たさが感じられました。

「のーまく さんまんだー ばーさらだん せんだー まーかろしゃーだー そわたや うんたらたー かんまん」

というやつです。

意味は概ね「激しい大いなる怒りの相を示される不動明王よ。迷いを打ち砕きたまえ。障りを除きたまえ。所願を成就せしめたまえ。カン マン。」というような感じでしょうか。

何度か唱えるとその鬼はふっと消滅してしまいました。

振り返ると天皇陛下は特に驚くでもなく、ごく普通に「では参りましょうか」とおっしゃいました。

それだけですが、もしかしたら実は陛下の周辺ではこういう事がよくあるのかなとも思ったりしました。

今度は戻りなので右側に洞窟がある山の崖を見ながら廊下を歩きましたが、どういう訳か今度は陛下が先導する形になりました。私は保守系や右翼の連中のようには神がかって皇室を拝めたりしませんが、陛下の後ろ姿には間違いなく邪気や妖魔を難なく跳ね返すような神々しさを感じました。

洞窟から幾つもの視線を確かに感じましたが、陛下は何とも思わなかったのでしょうか。

外に出ると先ほどのリムジンと侍従長が待っていました。

陛下はリムジンに乗車される前に私に「よくできましたね。これからも精進を期待します。」と言ってリムジンに乗り、砂埃を巻き上げながら去って行きました。

・・・と、こんな感じです。

陛下が立ち去られた後も背後の寺が気味悪くて、不動真言を唱えた辺りで目覚めたらしく、起きたときも多分、寝ぼけたまま真言を唱えていたようです(苦笑)。毎朝の読経時、幾つか読経する経典群の中に不動経と不動真言(3回)が含まれているので、毎日唱えているものではありますが、今朝は特に奇妙な感覚でした。

今月の23日は息子と一般参賀に行くつもりではいます。

(皇居近くにある映画館で「ガガーリン」が上映されるので、それなら参賀も、という流れで)

そのくらいしか陛下とのつながりはないと思うのですが、何とも不思議な夢でした。

平成二十六年師走十一日

不動庵 碧洲齋