不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

ナッツ・リターンに思うこと

ナッツ・リターンで日本が湧いている感じがします。

ま、選挙の方が重要でしょうか。

大韓航空の趙顕娥副社長さんが、たかだかナッツの出し方を間違っていたぐらいで激怒して飛行機を引き返させたという、ちょっとドラマのような話しです。結局、その副社長の方が勘違いしていたからとか。漫画みたいな話になってしまったそうです。やれやれ。

20代とか30代の跡継ぎぐらいなら「はいはい」でしょうが、不惑になってこれでは、本人の資質と親の資質を疑われます。

日本の場合もかなり疑わしい者が多いですが、それでも欧米と比してマアマア遜色ない程度にレディーでありジェントルマンの人が多いようです。

この場合、中国や韓国の金持ちの愚行と比べて嬉々としている日本人も残念ながら同じ穴の狢です。同じバカの種類です。これを読んでいる方で思い当たる人がいたら大いに反省して下さい。あなたは彼らと同じレベルの「バカ」であって、世界から評価されている日本人からは完全に漏れています。できたら海外に行く行かないは別として、日本国民であることも誇らないで欲しい。

彼らが恥を知らしめたのであって、私たちを利したわけではありません。粛々と無視していればよいのです。ネットで非難合戦をしているようでは大和民族としての雅量に思い切り欠けています。止めましょう。

ナッツ・リターンをさせた奴の人格は目を疑うほどに信じがたい愚かさですし、そんなのを育て上げた親は本当にに恥ずかしい限りですが、たとえ日本人でも人の親だったら「ザマアミロ」なんて思わない人が多いのでは?人の不幸を喜んでいるような人の親たる者がいたら、そいつもきっと同じ轍を踏む可能性が極めて高い(ま、そんな奴はスケールは小さいだろうけど)。

趙亮鎬社長さんは会社の責任者としても大恥をかいたし、人の親としても大変恥をかきました。許す許さないとかは別として、普通の人だったらまずは体験し得ないほどの重責と失態だったはず。

私も息子に対しては命がけで育てているつもりです。

間違ったことに対しては刺し違えてでも止めさせるつもりです。

取り返しの付かないことをしたら、お前を刺し殺して俺も死ぬ、と息子には言い聞かせています。子育てはこのくらい真剣勝負であって欲しいと思います。

真剣勝負で子育てをしていたら、大韓航空の社長さんの心境だって少しは分かるはず。奢りはなかったか、甘さはなかったか、道は間違ってなかったか、大会社の社長だって人の親ですから多分今頃はそんなことも考えていると思います。

自分の子供を犯罪者にしないばかりか、世の中に迷惑を掛けないように育てているのが世の大半の親だと思いますが、それでも犯罪者は出ますし、ご迷惑な人格に育ち上がってしまうことも多々あります。人は機械ではないのです。

結婚をしてないとか、そもそも彼女すらいないという優雅な独身貴族で社会の不満のはけ口代わりに中韓をネット上で叩いている人も多いでしょうが、そういうことをしても世の中は決して変わりません。いや、悪い方には変わるかも知れませんが。そういう人はまず結婚でもして子供でも作って育ててみれば、自分の愚かさがどれほどなのかよく分かってきます。私だって結構賢いつもりでしたが、子育てをしていくうちに自分も大変成長させてもらった感があります。

大韓航空社長の趙亮鎬さんは、「娘の愚かな行動で大きな物議を醸し、心から謝罪申し上げる。大韓航空会長として、趙顕娥の父として、国民の寛容な許しを請いたい。私を責めてほしい。私の過ちだ」と言ったそうです。子供を持っていない人にはこの言葉の重さは、ちょっと分からないかも知れません。これは本当に親としては身を切られるような辛さだと想像します。

今回に限っては日本には別段直接害はないのだから、せめて世界に冠たる日本は王者の風格で接するぐらいの余裕を持ちたいところ。世界で最も古い国の民としては、そのくらいあっても良さそうな気がします。

平成二十六年師走十二日

不動庵 碧洲齋