少し前から移民について思うことがあります。
少々耳が痛い方もいるかも知れませんが・・・。
基本的に移民には二つあって、労働移民と自由移民です。
自由移民はここでは問題ではありませんので省きます。
労働力が国情に比して余っていたら他国に行く場合（主に発展途上国）と産業振興度に比して労働力が足りない場合（主に先進国）のケースがあります。
欧州の先進諸国や日本は両方の経験があるところが多いようですが、米国は移民するほど労働力が余ったことはないですね。
今、日本はかなり厳しい岐路に立たされています。
にもかかわらず国際センスが欠如している人がなんと多いことか。
愛国心結構、反日憎悪結構、しかしそれと解決策は全く関係がありません。
世界での日本の立ち位置をよくよく吟味して発言してもらいたいと思います。
基本的に私はどんな労働移民にも反対です。
移民先進国が多い欧州でも「労働移民をやってよかった」なんて国がないからです。移民がなかったらやっていけなかった米国ですら、今となっては正規に移民しようとすれば結構絞られます。グリーンカードを取ったりする場合ですけど。
労働移民を行った場合、例えそれが反日国家からであろうがなかろうが、今の日本の文化や習慣、社会が変化するのは明白です。変化するのを覚悟で移民OKならいいのですが、せっかくギネス級に古い皇室と国の歴史を誇っているのに末路が悲惨だったら目も当てられません。
今までポロッと「消極的に移民賛成」とは言うことはたまにありましたが、基本移民には反対です。本当に良いことがないことはもちろんのこと、今、日本に移民と言って小躍りするのは周辺諸国だけ、そして日本を取り巻く大陸側5カ国の内、世界でたった3つしかない反日的な国が3つともあるという事実はどうなんでしょう？たぶんそれは移民など許してはダメだと天が言っているかのようです。
そもそもよく考えてみて下さい。人口を増やさないと産業が振興しないというのだったら、世界の人口は増え続けてしまいます。それこそ人類の破滅、もしかしたら地球が荒廃してしまいます。ディズニー映画の「ウォーリー」みたいになってしまいます。発展した人口の少ない国、発展しない人口の多い国、それを安易にミックスしてもよい結果が得られるのかどうか。原住民族を駆逐した米国、豪州、ニュージーランドなどは恵まれた方ですが、既にある程度発展し尽くした国に移民は難しい。人が増えないと発展しないというモデルを考え直すべきです。
私の考えです。
日本人はどんどん海外に出て行って下さい。世界人口が今、大体72億人です。日本人は概ね72人に1人いることになります。世界経済のかなりを握っている民族がこの数です。どうですか？複数の外国語と日本人ならではの得意分野を武器に、発展途上国に行ってその国を振興させ、その見返りを日本にもたらせばいいのです。搾取はいけません、現在で言えばひんしゅくを買っている中国みたいになりますし、100年前なら今の欧米諸国のような植民地主義になります。日本は日本のやり方で貧しい国を興して栄えさせ、日本の味方に付ければよいのです。共存共栄なら文句は言われません。
ハワイや北南米には多くの日本人移民者が行きましたが、現地で日本人がひんしゅくを買ったという話はほとんど聞きません。ブラジルでは日系人というのはステータスというか、とても敬意を払われる要素です。
故に日本人が海外に出掛けていってその和の精神を伝道し、日本人の一見非効率的ながらとても効率的なビジネススタイルも知らしめたらきっと日本にリターンをもたらすものと思います。座して衰亡を待つよりはずっとましです。
反日日本人や愛国主義者の皆さんで海外に進んで出ていこうという方はあまりお目にかかったことがありません（苦笑）。そんな素晴らしいことなら是非とも日本語ではなく外国語で大いに語って欲しい。海外では日本人と言うだけで移民できそうな国も多そうですが、そういうわけにも行かないので発展途上国が欲しがる技術を持っていてある程度の語学力があれば、日本人は大抵どこの国でもウェルカムです。祖国を愛する情熱があれば母国語以外2.3カ国語ぐらいは楽勝な気もします。それプラス海外青年協力隊で求められるような技能なんかがあればもっとよいです。
もっともっと海外の人たちと語って下さい。そしてできたらたくさんの国に行って直に見てきてください。そうでない人の無責任なあるいは非現実的な発言があまりにも多く感じます。（ま、私のこのアイデアが現実的かどうかは分かりませんが）
私も子供の面倒を見終わったらよその国に行ってもう一肌脱いでもいいと思ってますし、妻もそのように考えています（それぞれ違う国のようですけどね・笑）。本当に素晴らしい国だと信じているなら内輪で大声で叫ぶより、外に行って粛々と体現して見せてください。それは間違いなく日本と日本人の精華を世界に知らしめ、世界を平和に導き引いては日本を大きく利することになるでしょう・・・。
平成二十六年皐月八日
不動庵 碧洲齋
