不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

電子書籍に想う

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スタートレックというアメリカのSF番組があります。

ご存じない方の方が少ないと思います。

1966年の初放送から現在に至るまで、5つのテレビ番組、11本の映画、1本のアニメが作られています。

今ではさして珍しくない技術もありますが、多分当時は驚くほどのアイデアだったのではないかと思います。

その中で意外に知られていないのが「ペーパーレス」。スタートレックの少なくとも航宙艦の中では完全ペーパーレスの世界になっています。今のタッチパッドPDAスマートフォンのようなデバイスがたくさん出てきます。

これは比較的実現できそうな環境であり、手軽そうでもあったので、私はいち早くからそれに取り組んできました。

1990年頃からつい2.3年ぐらい前まで、電子手帳2台、PDA2台を使ってきました。ずっと継続していたわけではなく、システム手帳と交互して使っていました。

近年、スマートフォンや電子端末のめざましい進化のために、私たちの生活は驚くほどに変貌を遂げたように思います。片田舎にいてもポケットに収まる小さな機械があれば、世界中とつながり、およそ知ることができない情報はありません。

デジカメの例を思うと、今後、紙の書籍の数は大幅に減ると思います。純粋にペーパーレス化しにくい書籍などだけが生き残ると思います。また、骨董的価値が高いものも残るでしょう。問題はそれがどれだけのスピードかという点です。ちょっと見当も付きません。

電気自動車というモノが間もなく発売されます。この電気自動車がどのくらいの速さでガソリンエンジン自動車を席巻するのか、見物です。私は電子書籍のスピードと電気自動車のスピード、どちらが勝つのだろうかと考えます。ちなみにどちらもさほどエコだとは思っていません。

ここ2.3年ほど、どうも書籍に対する熱が下がってきました。書店に行ってもどうしても読みたい書籍が見あたりません。私の知的欲求が低下しただけかも知れませんが。だから実は書籍が紙であれ電子であれ、あまり関心がありません。ただ2000年以上もの歴史を誇る、極めて優れた発明品がそう簡単に覆るのかどうか。紙と筆に取って代われるデバイスはそう易々と出現はしないような気がします。

とはいえ、自分がこの世を去るまでには紙と筆は人間の良き友であってほしいと願ってやみません。

SD101221 碧洲齋