不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

手帳遍歴

私は社会人になってからほとんどシステム手帳派です。

スマホが開花するほんの少し前、今は懐かしいPDAを2003年頃から5年近く使っていたことがありましたが。当時のPDAも便利になりつつあったとは言え、今のスマホに比べると比較にもなりません。当時としてはスマホが出る直前でかなり先進的でしたけどね。

基本、何かをメモする場合、手書き→キーボード→タッチ入力の順位は基本変わりません。そもそも私の場合はパソコンの目の前にいることが多く、出掛けたりしないのでそうなのかも知れません。

人によって何をよく使うか異なり、それによって手帳はスマホか手書きか変わると思いますが、私の場合はそんなにたくさんの予定を入れることはあまりなく、直感的にサッと書けるかどうかが重用になります。

スマホフリック入力は結構早くなってきました。多分、日常的に使えばもっと早くなるように思いますが、残念ながら今のところパソコンの方が圧倒的に多く使っています。自宅のタブレットもパソコンと同じキー配列です。

とはいえ・・・最近「おっ!」と思ったのは「音声入力」ビックリするぐらい精度が上がりました。思いつきはこれで入れることが多くなりました。

そう考えると文字を発明した人、ペンを発明した人、紙を発明した人は偉大な先駆者だったと思います。中国の伝説では初めて文字を発明した人は黄帝に仕える史官であった蒼頡という方で、紙を発明したのは(こちらは史実)後漢時代の蔡倫という宦官です。

つまりここ2000年近く文字を紙面に書くという行為以上に便利な、人間の思想を記録にする手段はなかったと言えます。ここ半世紀に満たない時間で、電子的な記録が増えてきました。そしてその量たるや、それ以前に蓄積された数千年分を上回っています。

・・・が、個人として考えを記録する際はやはり手書きが一番のように思います。大脳生理学では文字を書くときと、キーを打つときでは脳の使う部分が違うそうです。つまり人類が而して直感的に書くのとキーを打つのでは違うと言う事でしょうか。そういう意味ではデジタルデバイスよりもアナログツールの方がいいように感じるのです。

今年3月頃からはガラケの利便性が徐々に狭まってきたので、やむなくスマホにしました。これはこれで便利ですが、いまだにスマホは通信機器プラスアルファでしかありません。そもそもバッテリー切れを起こすツールは話にならないというのが本音です。

例えば時計も私は長らく「チタン製・電波・ソーラー」というポリシーを持っていましたが、今は機械式懐中時計にしています。1秒以下の精度などは基本普通の生活に必要ありませんし、今や時計はどこにでもあります。禅をやっていて思ったことは・・・時間は客観的なものであり、かつかなり主観的なものである・・・ということ。なので機械式の懐中時計でも十分に間に合っています。しかも滅多に使っている人がいないのでかなりオシャレですし(笑) ただしちと高価な物なので取扱注意ですが。

システム手帳にもこだわりがあります。

それは「いつでもどこでもすぐに取り出せること」。手帳の字の如く、すぐに取り出せないとダメです。システム手帳をガンガンビジネスに使っている人は多少かさばってももっと大きいものの方がいいはずですが、私の場合はまず何より「携帯性」に特化しています。手帳の厚さもよく使われている16ミリリングではなく、小型の8ミリリング。そして6穴ミニサイズ。これはポケットにサクッと入るサイズだからです。もっと言えば開くのを止めるバンドもないタイプ。あれ、結構ポケットに引っかかって出しにくいんですよね。メーカーは長らくダヴィンチを使っています。初めて人からもらった手帳がまさにそれで、あとになって気付いたのはそれは結構高価な物。今は2代目ですが初代のものも携帯学習用ロシア語ノートとしてまだ使っています。

2代目の話しです。実は「不動庵 碧洲齋」のネーム入りのお気に入りなのですが、初代と同じものがしばらく絶版になっていて、違うものなのですが、一つ大失敗。それは同じ6穴ミニサイズでも幅が若干狭いスリムサイズということ。これはホントにレアで、普通のリフィルを入れると少しはみ出てしまいます。それともっと重用なのがペンが挟めないこと。最初は不要と考えていたのですが、意外にも手帳とペンのセットというのは恋人や夫婦の如くかなり一心同体であることを思い知らされました。携帯性重視のために失敗しました。ペンはもちろんいつも携帯しているのですが、「サッと取り出して、サッと書く」という場面では別々だとやはり不便でした。しかし帯なしでなめし革でペンホルダー付きの6穴ミニサイズのシステム手帳が、ダヴィンチのシリーズでなかなかなく、困っていたところ、久し振りに見たら出ていました。

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欲しいんですけどね。これは「欲しいから買う」のか「必要だから買う」のか悩みどころです。

平成二十八年葉月二十二日

不動庵 碧洲齋