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・・・残念なことですが、昨今、この信州でもモノやサービスが溢れ始めました。その代表例は、携帯電話です。アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。スマホ依存症は知性、個性、独創性にとって毒以外の何物でもありません。スマホの「見慣れた世界」にいると、脳の取り込み情報は低下し、時間が速く過ぎ去ってしまいます。
「スマホやめますか、それとも信大生やめますか」 スイッチを切って、本を読みましょう。友達と話をしましょう。そして、自分で考えることを習慣づけましょう。自分の持つ知識を総動員して、ものごとを根本から考え、全力で行動することが、独創性豊かな信大生を育てます。
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「アニメやゲームなどいくらでも無為に時間を潰せる機会が増えています。」
面白いことであっても、実生活にはどうでもよいことが簡単にできるようになり、人々は時間を無為に過ごせるようになってきたというのが問題です。公共交通機関やその構内を見ていて然り。ちっこい機械に首ったけです。
私も携帯電話は持っていますが(スマホではない)、SNSのメッセージを確認するぐらいです。去年からとうとうwebメールも携帯で見られなくなりました(苦笑)。相当重要か緊急を要する返事だけは携帯から最小限の返事でします。
それ以外は本を読むとか、何となくでも語学の勉強をするとか。昔からそうですが、性格的に時間を無為に過ごすのが怖いのです。だから自分にとってのプチ贅沢は「ぼーっとして何もしないこと」。あまりやりませんけど。
スタートレックなどを見ていると、ITは人の知性を助長するような描写が多いですが、現実には人を痴呆化させているようにすら感じます。出張で米国に行ったときに寒気がしたのは、7割方肥満の人間がぼーっとiPhoneを片手に突っ立っている姿をよく見ること。ホラー並に怖かった。
ITが人類が健全に生活する上で最大の障害だ、などと言うつもりはありません。大半の人にとってかなり便利なはずです。私も大変ありがたく使わせてもらっています。
どこまでどっぷりと浸ってよいものか。ここが難しいところです。私の場合は職場ではパソコンは開きっぱなし。幸いずっとデスクワークでもなく、現場を行き来することもあります。通勤時間は自転車で10分程度。なので通勤中は携帯は見ませんし、朝は朝食の準備などもするので目が覚めたとき以外は観る時間もなし。帰宅後はタブレットを開きます。長文を打ったり注文する場合などはパソコンを開きます。それでも家に帰ってきてからIT機器と向き合うのは1時間はないでしょう。
私も息子もそこそこ本を読みます。ネットの読み物も大変素晴らしいものがありますが、やはり私は紙の本がよいと考えます。今息子が夢中になっているのはジュール・ヴェルヌの海底二万里ですが、福音館書店刊行の本ですが、挿絵が原作と同じで箱入りのため、大変重厚な造りになっています。私は電子書籍は否定しませんし、種類によっては電子書籍の方がいいとは思いますが、紙の本の良さが分からない人が電子書籍にのめり込んだら「終わった」気がします。
私と息子はよく顔を合わせて話します。息子も学校で友達と面と向かって話すのが好きだそうです。故に友人がゲーム機に没頭している状態で話すのが好きでないそうです。先日も息子はゲーム機に没頭している状態の会話は会話ではないと斬り捨てていました。
自動車が普及し始めてから100年ちょっと。ITが普及したのがWindows95からだとして、今世紀後半ぐらいにITとの付き合い方にある程度の結論が出ればよいのでしょうが、今の状況を見るにどうも人間の方がどんどん廃退的になってきているスピードが速い気がしないでもない。
特に結論はありませんが、道具如きに使われないようにしたいものです。
平成二十七年卯月九日
不動庵 碧洲齋