聖書によるとイエスキリストは湖面を歩いたとされています。
水面を歩く話しはどこの国でもありますが、大抵は聖者とかが行っているようです。
私も此度、湖面を歩きました・・・ただし凍った湖面ですが(笑)
水は賢者しか歩かせてくれませんが、氷は誰でも歩くことができます。
ただしとても寒い時期、寒い場所でなら、という条件が付きます。
少し馬鹿馬鹿しいとは思いますが、これはこれで何とはなしに示唆深いとも感じた次第。
遠くまで見渡せる、広く凍った湖面に佇んでいると、えもいわれぬ独特の静寂に包まれます。
音が遠くにある感覚、とでも言うのでしょうか。
人の放つ音、どんなに美しい音色を放つ楽器ですら、自然の音にはかないません。
凍結した湖面上をスキーで滑っていたら、数回ほど「ゴキン」という音が足下から響きました。
結氷して湖面上の氷を圧迫し合っている音ですが、自然のすさまじい力を感じることができました。
平成二十七年睦月六日
不動庵 碧洲齋