不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

不動庵 碧洲齋はこうしてできました

Bruceと並んで今や立派な私の武号となっている「不動庵 碧洲齋」、これは意外にもそんなに古いものではありません。

こちらの方もちょっと書いてみたいと思います。

2004年、前年9月に息子が誕生した折、初節句でどんなものを買ってあげようかと思い悩んでいたところ、当日勤めていた会社の同僚が実物大甲冑を勧めてくれました。

「エッ!そんなものが簡単に買えるんだ!」というのが率直な感想。

価格的に一番安いものだと10万円ちょっと。

飾り物の甲冑フルセットを買うよりも安いものです。

しかも縦に長い実物大甲冑は場所を取りません。

ちなみに我が家には段飾りの鎧飾りがあるのですが、今それを買うと100万円以上するんですね。

かなり驚きました。

当時はもっと高かったと思います。

今は道具が古くなったり壊れたりしていますが、とりあえず本体とその周辺は無事です。

この歳になって親の愛情の深さに感銘を受けています。

で、実物大甲冑、買ったら当然着ます。

(一応、息子の所有品であるので、お借りして)

同僚にどこで?と聞くと、全国各地で行われる時代祭や武者行列で着るのだそうです。

おお、なるほど!もうその場で血が騒ぎ始めました。

で、早速、自分の父に相談したところ、快くなにがしの額を出してくれて、妻方の両親も出してくれました。

そして私たちの分を合せて日本最大の甲冑販売店「丸武(当時は丸竹)産業」のHPにて甲冑を購入しました。

【丸武産業】

http://www.yoroi.co.jp/

次に決めること、それが「武者風ハンドルネーム」でした。

甲冑仲間同士でそういう楽しみ方があるので、是非にもということで、早速考えました。

色々考えたのですが、前述のBruce、ブルースからブルー「青」とス「洲」で「青洲」にしようと思い立ちました。

が、普通の「青」ではあまりにも安直すぎるため、別の漢字にしようと思い立ちました。

候補に挙がったのは「蒼」と「碧」。

どちらも非常に好ましい漢字でしたので、結構悩みました。

どちらかというとディープブルー、空の深い青さを象徴する「蒼」もよかったのですが、病的な意味で使われることもあります。

一方、「碧」を色々調べると、色々興味深い逸話がありました。

「碧血丹心 故事」

中国周王朝の霊王・敬王に仕えた萇弘は、讒言に遭って郷里の蜀に戻り自殺した。

蜀の人が哀れに思ってその血を隠していたが、三年ほど経ってその血が化して、碧く美しい碧玉になったという故事。

蜀の国と言えば劉備諸葛孔明が心血を注いだ国ではありませんか。

なお、この故事から函館市にある旧幕府軍の戦死者800余人の霊が祭られている石碑は「碧血碑」と名付けられました。

そういうことで「碧」に決まりました。

甲冑を着て最初に出陣したときは実は「碧洲」でした。

初陣は千葉県大多喜町のお祭り。

私のHP「鎧」コーナーで一番最初の履歴です。

その年の年末だったと思いますが、引退した武芸者がよく使う「ナントカ齋」というものにひっかけて「碧洲齋」が誕生しました。

ここにきてしっくりした感じがしました。

意味的には「義に殉じて流した士の血は3年経つと碧色になる」ということなので、「義に殉じる士がいる国の武芸者」みたいな感じでしょうか。

一方、「不動庵」はもともと私のHPの名前でした。

正式には「文武之間 不動庵」。

言うまでもなく不動とは不動明王を指します。

これは私の生まれ年の仏です。また、よく参拝に行く黒瀧山不動寺のお不動様からお借りしたものでもあります。

「不動庵」は「碧洲齋」とほぼ同じ時期にできました。

3年ほど前に思うところあって、道場名を「不動庵道場」にしました。

故に不動庵 碧洲齋です。折を見て不動寺にて道場看板を揮毫して頂こうと思います。

【黒瀧山 不動寺

http://www.nanmoku.ne.jp/~choon/

【文武之間 不動庵】

http://fudoan.cdx.jp/

甲冑仲間の間では普通、武者風ハンドルネームで呼び合うので、本名を知らないことが多いのですが、それはそれで不思議な付き合いです。

甲冑に興味のある方、武者行列に興味のある方は、そういう甲冑武者が集うmixiのコミュニティーがあるので、ぜひいらして下さい。

【歴史祭り情報館】

http://mixi.jp/view_community.pl?id=828963

SD110620 不動庵 碧洲齋