不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

通名というのかニックネームというのか

ご存じの方も多いかと思いますが、日本以外の東アジア人、中国、韓国、台湾では英名、イングリッシュネームを使う人がとても多い。どのくらい通用するのかはよく分かりませんが、米国に留学していたときや豪州に赴任していたときの感じでは7割以上はイングリッシュネームを使っていたのではないかと思います。

留学中だったか、本名を知っていた韓国人留学生に対して英名の代わりに本名で呼んだら、ちょっと怒ってイングリッシュネームを使ってくれと言われたこともありました。

翻って日本人は海外でもほとんど本名で通しています。

たまたま、ジョージとかケンとか、英語にもありそうな名前の時はイングリッシュネーム風に通すこともありますが、9割以上は本名です。

私などはたまたま米国人の同門からBruceという名前を頂いてから20年以上はこれも使ってますが、40代前後ぐらいから大半の外国人は私に対しては本名で呼ぶようになりました。あくまで個人的な感じですが、日本の文化と伝統に敬意を持っている人ほどその傾向があります。最近ではごく一部を除くとBruceで呼ばれなくなりましたね。

私の場合、英名Bruce以外にも、武号、不動庵 碧洲齋も10年ほど使ってますが、こちらはとても気に入っているので今後とも使うと思います。

中国人や韓国人を見ていると、日本人とはまた違った欧米文化への憧れがあります。いや、日本人の特に若い世代でもそれはありますが、中韓ではもはやそういうレベルではありません。どういうレベルかというと、機会があれば国を捨ててでも移住したい、ずっと母国語など話さなくてもいい、その気になったら母国の文化だって捨ててもいい、ただし海外ではお金がモノを言うので、お金になるような母国のものなら石にかじりついてでも捨てない、とか。米国の従軍慰安婦の像建立事業なんかはお金になるんでしょうね。

海外赴任中、仕事先のオフィスと同じフロアでネットビジネスに打ち込んでいた中国人の大学生がいました。両親はもちろんお金持ちだったようですが、20歳ぐらいなのにお金にガツガツしてましたね。ちょっと異様な雰囲気だった。IT系に関してちょっとトラブルがあったときなども頼むとお金を要求してくるので、そのうち同僚で可愛い女の子に用件を頼んでもらうようにしました。そうするとタダになります(笑)。万国共通ですが普通に単純です。

英語の名前にどれほど気持ちを込められるのか、微妙です。日本人だったら多分なじめないと思います。

うがち過ぎかも知れませんが、日本人には多分、伝統的に裏打ちされた自信とか誇りとか、気付かないかも知れませんが、郷土愛のようなものがあるのかも知れません。日本の社会に文句を言う人はいても、海外に飛び出す人とかはほとんどいないですよね?つまり文句を言っても不満があってもやっぱり日本でやっていこうという人が多いのです。中国人や韓国人なら死ぬほど勉強して英語を学び、留学してチャンスを掴みますが、日本ではそこまでしなくても同等かそれ以上のものを国内で得られるからです。

ま、留学はした方がいいですし、日本では得られないものは多くありますが、それでも日本で働いていることに不満があるなら海外でも多分不満はあると思います。ものごとをキチッと進めることは海外だったら難しいですよ。そのくらい日本の社会は整然としているのです。

中国人にも韓国人にも心から祖国愛を持っている人はいます。日本人でも顕在意識の上で、理路整然とした理由で祖国愛を持っている人の割合はそんなに変わらないと思います。中韓を非難することと祖国愛を持つことはまた別問題ですから。

ただ問題なのはこの英名にあるように、彼らの場合は憧れが強くてそれの裏返しで欧米並の高い科学力と営々と継続してきている古い文化を持つ類似民族に憎しみが向いている、そんな気がします。同情の念は湧きませんけど。

デビッドやジョン、シンディやマリアになりたくて仕方がない中国人や韓国人と、慣れない発音でも本名で堂々としていられる日本人、この無意識の差こそが日本の実力ではないかと、いつも思います。

平成二十六年師走十七日

不動庵 碧洲齋