不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

パズルのピースその他

昨日は結婚したての同門夫婦とフィンランドの同門を連れて宇都宮郊外の観光名所に行ってきたのですが、その帰り、道の駅で昼食を取ったときにふと新妻になった同門に、どうして彼を選んだのか尋ねてみました。

彼女はしばらく考えてからサラリと言ったのは「パズルのピースが合ったかのような感じ」というものでした。

なかなかの回答だったと私は感心しました。

どこがいい、何がいいというのではなく、相手と自分がぴったりと合った、というその事実を簡潔に述べたその中に真理があるような気がします。

付き合いの長短ではなく、スッとパズルのピースが合ったかどうか、感じ取れることはとても重要な事です。

恋愛のみならず、普通の人間関係でも同じ事が言えると思います。パズルのピースのようにぴったり合った感じがする人とは相手の長短を論ずるまでもなく、そういうものを超えたところで長続きする関係になるのではないでしょうか。

好き嫌いの前提はあるにしても、パズルのピースが合うような関係でないと、いつかどこかで噛み合わなくなることは容易に想像できます。

パズルをしたことがある人は分かると思いますが、あれは根気が要ります。根気よく合うものを探し続けることにも意義があるようです。

彼女の場合は私から見るにいつも向上心を持っているように見えます。ちょっと悔しいのですが、彼女は英語はもちろんのことイタリア語も出来ます。そして本職は料理人。食べ物のことなどについてはいつも向上心を感じられます。今ロシア語を必死にやっている時分にはある意味励みになります。

対する夫の方も物静かながら思慮深く自分の持つ技術全てに向上心の炎が見え隠れします。今の状況に満足せず、絶えず明日の自分をより高くしようとする姿勢、そういう意味ではなかなかのカップルではないかと思ったりします。

帰路、フィンランドの同門から今現在の自分の武道の取り組みはどのような狙いを持っているのかを訊かれました。

これもまたなかなか鋭い質問。

その内容は・・・ナイショです(笑)。しかし私の意図することを非常に深い部分で理解して頂き助かりました。1を語って10を知る武友が割と多いことは私にとっては大きな財産です。

以上、昨日感じたことでした。

写真は大谷石資料館にあった、旧帝国ホテルの壁面彫刻のレプリカ

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平成二十六年皐月二十日

不動庵 碧洲齋