不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

照り焼きチキン?

今を去ること20年以上前のこと、留学していた頃の話しですがひとりの日本人留学生と知り合いました。

私より二つ年下の、何と言うかちょっと陽気な小太りの男で、言葉の端々に大阪弁を使っていたのですが、出身は石川県とか。当時の私にはこういう男とは気が合わなかったのですが、どういう訳かその後よくアパートを行き来するようになりました。

当時の私は文字通りハードボイルド系?超硬派?みたいな感じでしたが、対する友人はアパートに来るやパンツ一丁になって横になって(もちろんそういう関係ではありません!!!)、平気でケツ掻いたり、鼻をほじったり、下ネタを話したり、1ダースの缶ビールを買っても、私が2本飲む間に残り10本飲んだり、ある意味相当よい度胸をしていました(笑)。

そういう体たらくに真面目に中国哲学や武道哲学を語っていた私も、今思うと相当おかしく感じますけどね・・・。

驚いたことに実家は石川県でもまずまず大きい衣料店の息子。確かにたまに高そうな服を着てますが、センスが全然合ってなかった(苦笑)。彼のお母さんと双子の片方が休暇で遊びに来るまで半信半疑でした。

最初はうっとうしいヤツだと思いつつも不思議なもので、全く正反対の性格の男に胸襟を開くようになりました。そういうこともあるんですね。ま、そこまで度胸があったのは後にも先にもソイツだけですが。

普通その頃の私は「ガミラスに下品な男は不要だ」(落とし穴)みたいな感じでしたが、不思議とそいつが話すと、お下品な話しもまずまず許せるものになってしまいます(笑)。人徳というのか人間性というのか、たまたま波長が合ったのか。今でも謎です。

大阪にいた頃、料理屋でも働いていたと言うことで、私のアパートに来たときは結構色々な料理を作ってくれました。男のくせによう知っているなと普通に感心しました。今思うと、男も料理はできたほうがいいと痛感します。

で、一番最初に作り方を教えてくれたのがこれ。

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本当は何と言うのか知らないのですが、彼曰く「照り焼きチキン」だそうです。

醤油とみりん、砂糖、を入れて混ぜ、摺下ろしたショウガとニンニクを入れてそこに一口大に切った鶏肉を入れてよく揉み込み、30分程度してから焼きます。ごま油の方がベター。ご飯がよく合う料理です。今でもたまに作りますが、それがかれこれ25年近く続いています。写真は数日前にたまたま作ったもの。

普通なら20年以上も連絡は取り合うことはないと思うのですが、世はITの時代。フェイスブックではほとんど毎日コンタクトが取れるようになりました。何か不思議な気もしますが、いやいや便利な時代です。

そいつは今、私よりも体重が少なく(フェイスブックで何度まじまじ見てもそれが一番イメージできない・笑)、可愛らしいお嫁さんと暮らし、双子共々お店の経営をしています。

今日は彼の誕生日でした。そんなこともあってちょっと昔のことを書いてみました。

平成二十六年卯月三十日

不動庵 碧洲齋