不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

科学と仏教の接点

明日は昼から東京禅センター主催「科学と仏教の接点11」に参加します。これは花園大学国際禅学科教授の佐々木閑先生が毎回違う分野の科学者を招き、その道の科学の話しをしていただき、その後に佐々木先生から禅仏教の話しをして、接点を探る?みたいなセミナーです。これはなかなか強烈なくらいにおもしろく、年に何度か参加します。

多くの雲水さんたちが係として案内とかしてくれるのですが、話す内容が半分科学というのはなかなかおもしろい。参加する雲水さんたちも非常に感心して聞いていることも多々あります。参加者の年齢層は過半数が年配の方ですが、最近は比較的若い人も増えてきました。ま、そういう意味では私などは若い部類に入るわけです(笑)。

いつも会場を眺めていて思うのは、高齢者の方が遥かに学習意欲が高い。現在は若者の方にこそ無気力感を感じます。最初の頃などは、父親ぐらいの年齢の方に「若いのに感心だね」と言われて複雑な心境でした(苦笑)。若い雲水さんたちもよくよく見聞を広めないと、21世紀の禅仏教は衰退してしまいます。禅は英語で「zen」つまり発信元は日本なのですから、そういう気構えで世界に発信できる禅文化を更に熟成させる必要があると思います。

今回は千葉工業大学惑星探査研究センター所長である松井孝典先生をお招きするようです。

内容はこんな感じだそうです。

「大好評シリーズ11弾!世界的な惑星科学者、松井孝典氏を講師に迎え、宇宙と「ヒト」の関係性について考えます。私たち人間は,親から子へと知識を伝えたり、あるいは社会の中で相互に思考をやりとりすることで巨大な情報ネットワークを形成しながら生きている特殊な生物です。当然、そのネットワーク世界は、宇宙の在り方と密接に関連してきます。私たち人間は「人間ネットワーク」の一員であると同時に、宇宙の一要素でもあるのです。この人間という生物種の置かれた立場をもとに、「我々はどうあるべきか」を考察、同じく「人間の生きる道」を考える仏教との関連性を追求します。」

この佐々木先生の進行の仕方が非常にユニークでおもしろい。一度禅友を通じて挨拶を交したことがありましたが、折あらば色々お話を拝聴したいと思った方です。

今回はゲストがゲストなので息子も連れて行きます。10歳の参加者はたぶん最年少ではないでしょうか・・・(笑)。会場でも目立つこと間違いなし。しかし禅仏教にも宇宙科学にも非常に関心が高い息子ならば、興味を持って聴いてくれるものと思います。話しは決して簡単ではありませんが、佐々木先生の語り口であれば、息子もよく分かると思います。

特に福山雅治主演の「ガリレオ」を観てからは「科学者」とか「教授」という職業の人間には非常に関心を持っています。また、会場が駒場の東大のキャンパスですから、息子も興味が湧くというもの。おっと、本人はMITとか言ってたな(苦笑)。こういう機会を持たせることも親の務めではないかと思った次第。明日は私も楽しみです。

平成二十五年神無月四日

不動庵 碧洲齋