不動庵 碧眼録

武芸と禅を中心に日々想うままに徒然と綴っております。

「宇宙兄弟」と「プラネテス」

息子がとても好きなアニメが二つあります。 一つは今も放送されている「宇宙兄弟」。 設定年代は2025年。ほとんど現代と重なった、ほんのちょっと先の先の話です。 ここでは月面基地の建設が始まろうとしているところ、日本人が初めて月面に降り立ったという時代です。 一方の「プラネテス」は奇しくも息子が生まれた2003年に放送されました。人は既に火星にまで足を伸ばし、核融合エンジン搭載の大型木星探査船まで建造している時代。2075年の話しです。 どちらもJAXAが監修しているので設定がかなり緻密で、描写も恐ろしいほどにリアルです。何よりも現実的に到達可能な科学技術が描かれているので、手が届きそうな世界に魅了されます。 私が生きている間に現実的に見ることが叶うのは、月面基地と火星探査。宇宙旅行も軌道周回ぐらいならできるかもしれません。でもたぶんそのぐらいでしょう。「宇宙兄弟」の世界ぐらいまでが私が夢見ていた宇宙開発の世界なのかも知れません。 一方の「プラネテス」。核融合エンジンというのはもう1世紀ぐらいはかかる可能性が極めて大、と言われていますが、飛行機が飛んだときも同じようなことを言っていました。それでも息子が年老いて死ぬまでに人は火星に難なく行き着けるようになると思います。「プラネテス」に出てくる中年以下のキャラは息子の息子ぐらいの年齢、主人公たちはまさに息子の孫ぐらいの年齢です。 「プラネテス」では壮大な宇宙開発を描写している一方で、それらが先進国だけに占められていて、未だ発展途上国が貧困に喘いでいる現実を語っています。たぶんこれは100年後もそれはなかなか解消しがたい問題であると思います。故に息子にはいつも言います。世界の軍事予算を削り尽さないとできない宇宙開発、世界中の志を持つ人が団結しないとできない宇宙開発を目指しなさいと。平和になろう、などという抽象的な目標ではだめです。近年では米国ですら大規模な戦争を起こしたときに発生する予算に尻込みします。それなら宇宙開発に注ぎ込むべきです。人材も国によってではなく、有志でやればよいのです。もちろんその為には均等な教育の機会、高度な教育の機会を世界中に広めるべきですが、私はできたら日本がその役目を果たして欲しいと思います。鵜の目鷹の目で発展途上国の資源を狙う紳士面した国であるよりも、外交が多少不得手であっても誠実であることをモットーにして欲しいところです。 私の10歳の頃と比べてお話にならないぐらい、息子の精神世界の高さは見上げたものですが、宇宙開発で多くの人の為になるように努めなさいと言います。自分が好きな道でチャレンジして、それで多くの人の生活が向上するなら、素晴らしいことだと言います。最近の彼の行動規範を見ていると、そういうものを勘案して決定することが多くなってきたように思います。有難いことです。 これらのアニメを見ているときの息子からはいつもオーラが出ています。手の届く世界であり、現実に到達可能な世界であることに興奮しているようでもあります。そしてそういう宇宙開発に関われることに対する情熱がいつも感じられます。親としては何とかして息子の進みたい道をフォローしていきたいと思う今日この頃です。 宇宙兄弟
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プラネテス
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平成二十五年神無月二十二日 不動庵 碧洲齋