2009年頃、のことですが、野良の子猫が家の周りをうろうろしていました。
1匹だけでしたし母親も見当たりません。
可哀想だったので、エサを与えました。
妻は当時生きていた愛犬ですら毛嫌って触ることすらしませんでしたので、この野良猫にえさをやる度にウンザリさせられるような嫌味や皮肉を浴びせられましたが、私にとっては同じ生きている者同士、お互い様と言うことでえさをあげ続けました。
雌猫だったので息子がランと名付けました。
エサをあげると毛並みがよくなり、品がよくなります。
もちろん時々家に上がり込んでじゃれてきます。
1年後、4匹の子猫を生みました。
多分、ほとんどが人にさらわれたのだと思います(笑)。
子猫たちも母親がうちから食べ物をもらっているのを見ていましたから、人間に対して警戒心が薄い上に、毛並みがよく、特に1匹はきれいな三毛でした。
ところが子猫が2匹ぐらいになったとき、ランは突然いなくなりました。
野良猫ではよくあることなのでしょうか、子供を放棄してしまうのでしょうか。よく分かりません。
仕方ないので2匹にはえさをあげましたが、1匹になり、とうとういなくなりました。
最後の1匹は野良猫と言うよりほとんどペットでした。
ランと子猫たち
先日、息子が私に報告してくれました。
「ねえパパ、ランちゃんがうちに来てたよ!」
話を聞くと、日曜日で窓を開けていたところ、物音がするので息子が下に降りて見てみると、前にえさをあげていたランがいたそうです。怯えたり怖がったりすることはなかったようですが、近寄らずに去っていったらしいです。
息子も大きくなりましたから、分からなかったのかも知れません。
前にも一度、近くの公園で見かけたことがありますが、その時は私に寄ってきました。
まだ元気なようです。
それにしても何でうちに来たのでしょうか?懐かしくなったから?
猫にも犬に劣らぬ忠誠心があると聞きました。
犬にしろ猫にしろ本当にいやされます。
是非また来て欲しいと思います。私と息子だけはいつでも大歓迎です。
ラン
平成二十四年長月二十日
不動庵 碧洲齋